G7外相、ロシアによるウクライナ領違法「併合」主張に関する声明発出

G7の外相たちは9月30日、ロシアがウクライナのドネツィク州、ルハンシク州、ヘルソン州、ザポリッジャ州の一部の違法な「併合」と称するものを主張してから2年が経過するにあたって、ウクライナとその領土一体性、主権、独立に断固とした支持を表明する声明を発出した。

日本外務省が声明仮訳を公開した

さらに外相たちは、ロシアによるウクライナとその国民に対するこれらの、あるいはその他の国際法違反を決して容認しないとし、またロシアの違法な侵略、一時的に占領されているウクライナの領土における人権侵害や民間の重要な都市インフラを破壊する残酷な攻撃を可能な限り最も強い言葉で引き続き非難すると表明した。

またG7は、国際社会の全てのメンバーに対し、同様の行動をとるよう求め、また国連安保理常任理事国であるロシアに対し、国連憲章及び国際秩序を支える基本原則を遵守するよう求めた。

声明には、「ロシアの全面的な侵攻に対する、ウクライナ及びその正当な防衛に対する我々の政治的、軍事的、財政的、経済的及び人道的支援は、ロシアの違法な戦争のコストを引き上げるという我々のコミットメントと同様に、引き続き揺るぎない」と強調されている。

そして、「これらの措置は共に国連憲章の原則に根ざした、包括的で、公正かつ永続的な平和のための適切な条件を整える助けとなる。そのためにも、我々は、ルールに基づく国際秩序への完全な尊重を回復することを目指し、より広範な国際社会に引き続き関与していく」と説明されている。

その上で外相たちは、ロシアがウクライナの全領土から国際的に認められた国境まで、即時に、完全に、かつ無条件で軍を撤退させ、ドネツィク州、ルハンシク州、ヘルソン州、ザポリッジャ州、クリミア自治共和国及びセヴァストーポリ特別市の「併合」の主張を撤回し、独立国家としてのウクライナの主権的権利を尊重すれば、この侵略戦争は今、終結することができると訴えた。

なお、ロシアは、2014年にウクライナ南部クリミアを、2022年にウクライナ東部ドネツィク州、ルハンシク州、ウクライナ南部ヘルソン州、ザポリッジャ州を「併合」したと主張した上で、現在まで占領を続けている。G7をはじめ、圧倒的多数の国がこのいずれの「併合」主張も認めていない。