ロシアの対ウクライナ侵略に関する「グローバルサウスの代替の立場」の不在明らかに=ウクライナ外務省
ウクライナ外務省は23日、ロシア・カザンで開催されたBRICS首脳会談に関して、ロシアは対ウクライナ侵略に関するいわゆる「グローバルサウス」の代替的立場なる考えを押し付けることに失敗したと指摘した。
外務省がコメントを発出した。
外務省は、カザンにおけるBRICS首脳会談の総括文書となる共同宣言第36項目がウクライナに関するものだと伝え、そこで参加国は、ウクライナ情勢に関する自国の立場、国連憲章の目的と原則へのコミットメント、平和的な情勢解決と外交を喚起するだけだったと指摘した。
そして外務省は、その事実は、ロシアはBRICS首脳会談参加者に、対ウクライナ侵略を通じた世界の法秩序や安全保障構造の変化に向けたネオ帝国主義的な見解を「輸出」することができなかったことを実質的に示しているとの見方を示した。
さらに外務省は、ロシアによる、対ウクライナ侵略に関するいわゆる「グローバルサウス」の代替的な立場なるものに関する考えを押し付ける試みは、またしても失敗に終わったと指摘した。
そして外務省は、実際には同宣言は、BRICSが集団としてロシアの対ウクライナ侵略に関する1つの立場を有していないことを示しているとした上で、それは「参加国の圧倒的多数が国連憲章の目的と原則を支持しているため」との確信を表明した。その上で、同省は、「そのような(編集注:国連憲章への)支持と侵略ないしは力による国境の変更への支持、すなわちロシアと同国の対ウクライナ侵略戦争への支持、は相容れない」と強調した。
その他同省は、ロシアは、世界の分断のためにBRICS首脳会議を利用する計画だったが、実際には改めて、世界の大半は、国際的に認められた国境内での領土一体性の原則を伴う、国際法と国連憲章への尊重に基づいた包括的で公正で永続的な平和の確立を願うウクライナの側にあり続けていることを示すだけだったと伝えた。
その上で同省は、それを達成できる唯一の手段は、「平和の公式」だけであり続けているとし、「力の法」ではなく、「国際法」の側に立っている全ての国に対して、その実現に加わるよう呼びかけた。