ロシアとの協議開始のためには2022年2月24日以前の状況に戻すべき=ウクライナ政権高官
ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、ロシアと協議を開始するためには、ウクライナが2022年2月24日以前の状況まで戻らなければならないと発言した。
イェルマーク大統領府長官がイタリアのコリエーレ・デラ・セラ紙へのインタビュー時に発言した。ウクラインシカ・プラウダが伝えた。
イェルマーク氏は、「ゼレンシキー氏(大統領)は、領土面の譲歩については一度も話していない。彼が話したのは、国際的に認められた国境を受け入れる必要性のことだけだ。しかしながら、彼が、(編集注:2022年の)ロシア侵攻の直前に状況から脱出しようと協議を行う準備があったのは事実だ。私たちにとって、クリミアとドンバスはウクライナ領であり続けており、それらは協議対象ではない。私たちは戦争の凍結に反対しており、私たちは戦争を終わらせたいと思っている。私たちは、グローバルサウスの国々もまたロシアの侵攻と武力による領土奪取を非難しているという事実に安心している」と発言した。
同時に同氏は、協議を始めるためには、ウクライナが2年以上前の朝4時のロシアの最初の砲撃がある前(編集注:2022年2月24日の全面侵攻の前)の状況まで戻らなければならないとも発言した。そして同氏は、その際に1991年国境までのウクライナの主権を回復する方法について話していくことになると指摘した。
イェルマーク氏は、ロシアの首脳プーチン氏が発言していることには興味がないと指摘した(編集注:プーチン氏が領土面の現実を考慮すべきと述べていることに関する言及)。
その際イェルマーク氏は、「その侵略者が何を行っているか、私は興味がない! 私たちは、この戦争を欲していた人物の影響下にある和平の提案は築けない。私たちは、自らを強く感じるようになり、ロシアとの協議のためにグローバルサウスの国々の支持を得るようになれば、国際会議を開催する準備がある」と発言した。
なお、2024年9月にウクライナで実施された世論調査の結果では、ロシアとの協議を今行うべきだと考えている者は35%(1年前の同設問の同回答は21%)、すべきでないと考えている者は48%だった。