「ウクライナは勝たねばならない」=ウクライナと欧州6か国の外相、ベルリン宣言を採択
英国、スペイン、イタリア、ドイツ、ポーランド、フランス、ウクライナの外相と欧州連合(EU)の外務・安全保障政策担当上級代表は12日、同日の会合の総括として、「ベルリン宣言」を採択した。
ウクライナ外務省が同採択につきコメントを発出した。
外務省は、ウクライナからはシビハ宇外相が同宣言に署名したとしつつ、同宣言は「ロシアの侵略との対立のこの決定的な瞬間における、パートナーからの強力な連帯とウクライナへの断固とした支持」を確認するものだと指摘した。
また同宣言にて、外相たちは、諸努力の目的は「ウクライナの勝利」だと伝えた(宣言本文には、「ウクライナは勝たねばならない(Ukraine must prevail)」と書かれている)。
さらに宣言には、ウクライナのための和平協議はウクライナ抜きでも、ウクライナ側にいる欧州の人々抜きでも行われてはならないと強調されている。
外相たちはまた、欧州の強靭な安全保障は、ウクライナの主権と領土一体性への完全な尊重を伴う、国連憲章を含む国際法に基づくウクライナのための包括的で公正で永続する平和の回復と切り離せない関係にあることを確認している。
加えて外相たちは、そのような平和への信頼できる道筋としての「平和の公式」へのさらなる支持を表明している。
ウクライナ外務省のコメントには、「ベルリン宣言は、ウクライナのパートナーたちの支持と、NATO加盟を含む、ウクライナの完全な欧州大西洋統合への不可逆的道筋と、EU加盟への道筋への支持を明確に強調している」と書かれている。
また、外相たちは宣言にて、追加的欧州財政の動員を含む、ウクライナへの軍事、経済、財政支援の増加や、軍事ニーズを含むウクライナの喫緊のニーズを満たすための、G7によるウクライナへの500億ドルの融資供与の決定の迅速な実現への準備があることを認めた。
さらに、外相たちは、ウクライナのロシアの侵略から自衛する権利への支持を強調し、ロシアによるさらなるエスカレーション、ロシアによるウクライナの町や重要民間インフラへの意図的な攻撃、北朝鮮軍の展開、中距離弾道ミサイルのウクライナへの使用を強く非難している。
加えて外相たちは、ロシアの軍事力増強を今後の制限し、エネルギーによるものを含む、クレムリンの収入源への追加的圧力をかける意図を確認するとともに、信頼できる長期的な軍事・財政支援を含む、強力な安全の保証の提供の準備があることを確認した。
外相たちは、国連憲章と欧州安全保障協力機構(OSCE)の原則に基づくべき、欧州の安全保障に関する議論や行動において、欧州と大西洋をまたがるパートナーたちと共に結束する準備があることを認めている。
また外相たちは、ウクライナの再建と復興を今後も支援する意向を認め、2025年にイタリアで国際ウクライナ復興会議が開催されることを指摘した。
なお、外務省は、「ベルリン宣言」の全文も公開した。
これに先立ち、同日、ベルリンにて、イタリア、スペイン、ドイツ、ポーランド、フランス、英国、ウクライナの外相並びにEU外務・安全保障政策担当上級代表が会合を開いていた。
写真:シビハ宇外相(X)