コンスタンティノープル総主教庁代理のダニエル大主教、ウクライナ正教会が総主教庁となる可能性を認める

ウクライナ正教会独立のトモス(公布文書)を変更し、同教会が総主教庁の地位を得ることは、十分可能性がある。

ウクライナ正教会におけるコンスタンティノープル総主教代理(エクザルフ)であるダニエル大主教(米国)が、BBCウクライナ語版へのインタビューにて発言した。

大主教は、記者からのトモスの変更の可能性に関する質問に対し、「それは、トモスの変更と総主教庁設立宣言となります。コンスタンティノープル(全地総主教庁)は、それが全く可能性あることだということを、隠したことは一度もありません」と発言した。また、大主教は、「その際、総主教庁設立宣言の新しい文書が作られることになります」と補足した。

ダニエル大主教は、その場合、現行の文書がアーカイブ入りし、変わりに新しい文書が与えられることになると説明した。また、コンスタンティノープル総主教庁とウクライナ正教会が持つ文書が一致する必要があると述べ、「私たちは自らの写しを持っていますし、教会も自らの写しを持っています。これらは、完全に同じものでなければなりません。ロシア正教会に独立(autocephaly)の権利を与えている文書に生じたことが起こらないようにしなければなりません」と述べた。

ダニエル大主教は、モスクワ総主教庁(ロシア正教会)が持っている文書を見たことはないし、ギリシャ語の優れた知識もないと前置きをしつつ、「しかし、私が知る限り、これらの文書(編集注:モスクワ総主教庁とコンスタンティノープル総主教庁が持つ文書)は内容が異なっているらしいのです。そして、ロシア正教会の持つ文書にある署名と、イスタンブルに保存されている文書にある署名も異なっています」と説明した。