ロシア裁判所、クリミア・タタール人に17年の懲役刑判決
5日、ロシア連邦のロストフ・ナ・ドヌーの南部軍管区裁判所にて、クリミア・タタール人のエンヴェル・セイトスマノフ氏に対して、「イスラム解放党」の活動を組織したとし、懲役17年間の有罪判決が言い渡された。
市民団体「クリミアの連帯」がフェイスブック・アカウントにて伝えた。
発表には、「エンヴェル・セイトスマノフ氏の案件の最終公判が開かれた。審議を行ったのは、ロストヌ・ナ・ドヌーの南部軍管区裁判所。セルゲイ・ゴレロフ、ニコライ・グリコ、アレクサンドル・ゲネラロフからなる裁判官団は、エンヴェル・セイトスマノフ氏に厳格集団労働収容所での懲役17年間、拘束1年間の判決を言い渡した」と書かれている。
また、判決文には、セイトスマノフ氏が、ロシア国内で「テロ組織」と認定されるイスラム解放党の活動を組織した罪を認めると書かれているという。
同団体の発表にはまた、弁護士団の見解として、捜査側は本件の有罪性とセイトスマノフ氏によるテロ活動や暴力行為への関与に関し、一切の証拠を提示していないことを指摘し、同氏を含め、逮捕されているクリミア・タタール人たちが宗教的な集会に参加したり、宗教間連書物を読んだり、社会・政治的な議論をしたりしたことのみを根拠に、有罪判決が出され厳格収容所への懲役刑が言い渡されていると書かれている。
地域市民団体「権利保護センター『メモリアル』」は、実例や犯罪要素の不在のまま自由を剥奪することは、ロシア国内法にも国際法にも反すると指摘しているとのこと。
また、ウクライナ外務省は、ロシアに対して、セイトスマノフ氏の解放を要求していることが喚起された。
なお、2019年7月17日、欧州議会は、ロシアにて拘束される政治囚問題に関する公聴会の結果として決議を採択している。同決議には、エンヴェル・セイトスマノフ氏を含む、130名のウクライナ人政治囚のリストが含まれている。欧州議会は、同決議にて、ロシア連邦に対して、全てのウクライナ人政治囚を速やかに解放するよう要求している。
写真:クリミアの連帯