ウクルインフォルム日本語版編集者、ロシア・ウクライナ戦争について書籍出版へ

ウクルインフォルムの日本語版編集者、平野高志氏が11月にロシア・ウクライナ全面侵略戦争に関する書籍『キーウで見たロシア・ウクライナ戦争 戦争のある日常を生きる』を星海社から出版する。

これは平野氏の2冊目のウクライナに関する書籍であり、本著の主題はロシアの侵略戦争下における日常生活だという。ウクルインフォルムが伝える。

平野氏は、「ロシアの全面侵略が始まってから、多くの外国人記者、専門家がこの戦争について書いてきた。その際、焦点が当てられてきたのは、主に戦闘、政治、犠牲、国際支援である。それらは全て重要なのだが、しかし、私は、戦時下における私たちの日々の生活、考え、気持ち、日々の行動についても語らなければいけないと考えてきた。それは国外の人々にとっては気が付きにくい側面だろうが、しかしそれこそがこの戦争の最大の部分を占めており、それを知らなければ、人々はウクライナで何が起こっているかついて、十全に理解することはできないからだ」と自らの見解を説明した。

書籍にて、同氏は、ウクライナの人々の戦時下での生活、経済状況、空襲警報、シェルター、難民、動員・徴兵、夜間外出禁止令、報道、停電、ソーシャルメディアの状況、募金、支援、勝利と平和についての見方、恐怖・悩み・希望・ジレンマなどについて書いたという。

そして同氏は、「このような手段で、私は、情報のギャップを埋めることを試みた。世界の人々が、最も激しい出来事を通じてだけでなく、あらゆる面でこの戦争を知ることができるようにするためだ」と述べる。

同氏はまた、日本のジャーナリストは今次戦争を詳しく報道しているとしつつ、しかし、彼らがウクライナに滞在できる期間は限定されており、必ずしも全ての側面を伝えられているわけではないと指摘する。

その上で同氏は、「私は、ここに住み、毎日人々と話しており、あらゆることをより深く感じている。例えば、毎晩私たちは将来について不安を抱き、朝には爆発音の中で目を覚ましている。そういうことはニュースの見出しにはならないが、しかし、その毎日の現実を知ることこそが、外国の人々にとって、なぜウクライナの人々を支え続けるべきかをよりよく理解する手助けになると思うのだ」と発言した。

平野氏の新著『キーウで見たロシア・ウクライナ戦争 戦争のある日常を生きる』は、11月に星海社から出版される。

オンライン書籍販売サイトでは、すでに予約ができるようになっている(アマゾン楽天)。

写真:Andrii Kuzmin