クリミア先住民指導者の人生を描く映画がウクライナで一般公開へ 作曲は日本の三宅純氏
クリミアの先住民クリミア・タタール人の指導者として知られるムスタヴァ・ジェミレフ氏の障害を描く映画「酸素ステーション(キスネヴァ・スタンツィヤ)」が4月10日に一般公開されるところ、7日にサウンドトラックが紹介された。なお、同映画の作曲は、日本の三宅純氏が担当している。
ウクライナ国家映画庁がフェイスブック・アカウントで伝えた。
映画庁は、「この映画の音楽世界を作り上げたのは、2012年にオスカーにノミネートされた、映画『ピナ』での仕事で知られる日本の作曲家の三宅純氏である」と説明した。
また発表には、サウンドトラックは、トルコの有名歌手カルベンが作曲・演奏した者で、その独特の声とスタイルが映画に独創的な雰囲気を与えていると書かれている。
構想では、それはジェミレフ氏が後に妻となるサフィナル氏のためにかつてカセットテープに録音した曲となることが考えられていた。しかし、オリジナルの録音した曲は使うことができなかったため、オリジナルの新曲が作られたのだという。
制作会社は、B&H Film Distribution。映画「酸素ステーション(キスネヴァ・スタンツィヤ)」は、ウクライナの映画館では4月10日に上映が始まる。
この映画は、幼少期にクリミアから追放されソ連の人権活動家・反体制活動家として生きてきたクリミア・タタール人の指導者ムスタファ・ジェミレフ氏の人生における様々な出来事や、1980年の夏の出来事についてのジェミレフ氏本人の話をもとにして作られたもの。
映画では、ジェミレフ氏がソ連時代にヤクーツクのジリャンカ村に4年間流刑され、酸素ステーションで働かされていた時のことが描かれている。これはジェミレフ氏の存在が世界中で知られるようになった、ソ連に拘束された際の300日間のハンガーストライキの後の出来事となる。
なお、作曲家の三宅純氏もまた、ロシアによる対ウクライナ全面侵略の前に同映画の依頼を受け、全面侵略後にも制作チームとやりとりを続けていたことをXアカウントで報告している。
映画の公式トレーラー(B&H Film Distribution)