ゼレンシキー・ウクライナ大統領の欧州議会での演説(3月1日)
どうもありがとう! 親愛なる出席者よ。知っているだろうか。私はここ数日、どのようにあなたに正しく挨拶したら良いのかわからない。なぜなら、私は今、「良い朝ですね」とか「今日は良い日ですね」とか「良い晩ですね」とは言えないからだ。言えない。それが絶対的な真実だ。なぜなら、毎日、誰かにとってその日が確実に悪い日であり、毎日誰かにとって確実に最後の夜となるからだ。私は、今日、今、自らの命を代償にして、自由を守っているウクライナの人々のことを話す。
私は、ここで、そのように団結した感情を見ることができて、非常に嬉しい。私は、私たちがあなたたち皆を、欧州連合(EU)の国々を団結できたことが嬉しい。しかし、私は、それにこのような代償が必要だとは思っていなかった。そして、これは私にとっての悲劇であり、ウクライナ人一人一人にとっての悲劇であり、全ての国にとっての悲劇である。
ご存知だろうか。私は今、プリントを読んでいるのではない。なぜなら、私たちの国では、紙の時代は終わったからだ(編集注:国家機関の業務に紙を使用しない、ペーパーレス法が採択済)。亡くなった人たちは、皆本当の命だ。私は、私たちは価値、権利、自由のために人々の命を捧げていると思っている。あなた方と同じでありたいという願いのために、最良の人々、最強の人々、すばらしいウクライナの人々を捧げているのだと。
私たちは、「私たちは皆勝利する」としょっちゅう話している。あなた方がそのことについて述べるだけでなく、それを目にしていることを、私はとても嬉しく思う。私たちは、皆必ず勝利する。私はそう確信している。「ウクライナの欧州の選択」という表現がある。それは、私たちが望んだことであり、向かってきた目標であり、向かっていく場所のことだ。私は、あなたたちから「欧州によるウクライナの選択」という表現が聞けることを強く望んでいる。
私は、あなた方との話のために数分間しかない。なぜなら、小さな銃撃やミサイル攻撃があるからだ。今朝は、私たち皆にとっての悲劇だった。2発の巡航ミサイルがハルキウに着弾した。ロシア連邦との国境近くの街であり、そこには非常に多くのロシア人がいて、彼らは仲良くしていたし、いつも温かい関係があった。その街は、20の大学があり、私たちの国で最大数の大学がある中心地である。私たちの国で最も大きな広場があり、そこではお祝い事があると、素敵で賢い若者たちがいつもそこに集まった。その広場は、「自由広場」という。それは欧州で最大の広場でもある。自由広場だ。そして、想像して欲しい。今朝、2発の巡航ミサイルがその自由広場に着弾したことを。数十人の犠牲者が出た。それが自由の代償である。
私たちは、単に自分たちの大地と自分たちの自由のために闘っているだけだ。信じて欲しい。今、私たちの国の全ての大都市が封鎖されているにもかかわらず、誰も私たちの自由と国の中には入れない。信じて欲しい。今日、どんな広場も「自由広場」と呼ばれるだろう。私たちの各町においてだ。誰も私たちを壊せない。私たちは強い。私たちはウクライナ人だ。
私たちには、子供が生き続けていく、という願いがある。思うに、それは正直な気持ちだ。昨日は、16人の子供が亡くなった。そして、プーチン大統領はまたしても「何らかの作戦が行われている、私たちは軍事インフラを攻撃している」などと言うだろう。私たちの子供がどこにいるというのだ? どんな軍事工場で子供が仕事をしているのだろうか? どんなミサイルに乗って働いているというのだ? 子供たちが戦車に乗っているとでも? お前は16人の子供を殺したんだ!
私たちは、非常にやる気のある民だ。非常に。私たちは、私たちの権利、自由、命のために戦っている。今、私たちは生き延びるために戦っている。それが私たちの最大のやる気だ。しかし、私たちは、欧州の平等なメンバーとなるために戦っている。私は、今日、私たち皆が、私たちは平等なのだということを示せると思っている。EUは、私たちと一緒になればもっと強くなる。ウクライナは、あなた方抜きでは孤独だ。私たちは、自らの力を証明した。私たちが、少なくとも、あなた方と同じであるということを証明した。あなた方には、私たちとともにあるということを証明して欲しい。あなた方が私たちを手放さないということを示して欲しい。あなた方が本当に欧州人であるということを。その時、命は死を克服する。世界は、闇に勝つ。
ウクライナに栄光あれ!