ウクライナ大統領府長官顧問、ロシアとの協議で結果が出るための条件を説明
ポドリャク氏がドイツのFrankfurter Allgemeine Zeitungへのインタビュー時に発言した。大統領府広報室が伝えた。
同氏は、和平協議が結果を出すのは、ロシアがこの戦争を続けることでウクライナよりも多くの損失を出すことになると認識した時だと述べた。そして、「そうなるには、私たちの軍が効果的に行動しなければならない。そのためには、私たちのパートナーが私たちを適切に支援してくれなければならない。飛行禁止区域を設定したくなければ、私たちが自分で空を封鎖し、平和な町を爆撃させなくするために、防空システムを供与して欲しい。第二には、マリウポリのような町の包囲を解くための武器を供与して欲しい。第三には、石油禁輸や最大限の金融取引制限のような制裁が必要だ」と説明した。
さらに同氏は、ロシアとの協議の重要な要素の一つはウクライナにとっての明確かつ理想的な安全保障だと指摘した。
同氏は、「ウクライナは、特に戦争の観点で、保証を提供する準備のある国々の入る安全保障システムを主張している。それに多くの他のことが左右される」と発言した。また、同氏は、そのような保証システムは何より米国が参加しなくては不可能だと強調した。
その他同氏は、ロシアとの協議は作業部会で一定の進展はあるものの、概して、ウクライナが望んでいるような前進は今のところないと指摘した。
また同氏は、「ロシア側は何らかの情報、協議上の何らかの案をメディアにリークするのを好んでいるが、それは、オープンな議論の行われる私たちの国で、予想、感情の起伏、対立が生じるのを期待しているからだ」と発言した。
同氏は、ウクライナ側にとって領土一体性は極めて重要であるとし、そのため2014年から占領されているクリミアやドネツィク・ルハンシク両州一部地域の将来といった「複雑な問題」は、ウクライナとロシアの両国大統領のみしか決められないとの考えを示した。
なお、ウクライナでは、2月24日から、ロシア軍による侵略戦争が続いている。
これに先立ち、2月24日のロシアによる対ウクライナ全面的侵略開始から、ウクライナとロシアの代表団は、2月28日、3月3日、3月7日、3月14、15日に協議を行っており、それ以降もオンラインで協議を続けている。
ポドリャク大統領府長官顧問は16日、ウクライナの将来の安全保障に関するコンセプトを説明し、ウクライナの安全の絶対的な保証が必要だと発言。また、ゼレンシキー大統領は17日、ロシアとの協議における優先課題は、戦争の終結、領土一体性の回復、安全保障だと発言した。イェルマーク大統領府長官は19日、ウクライナ人に最後通牒や降伏を求めても無駄であり、独立、領土一体性、主権に関してウクライナが譲歩することは決してないと発言している。