露軍のザポリッジャ原子力発電所への攻撃 ゼレンシキー宇大統領が非難
ウクライナの原子力発電所を扱う国営「エネルホアトム」社が、テレグラム・チャンネルにて、ロシア軍からザポリッジャ原発への砲撃を報告した。
発表には、「今日、2022年8月5日、ロシア軍は再び挑発に踏み切った。彼らの14時30分の砲撃により、ザポリッジャ原子力発電所の産業広場近くにて3つの『飛来』が確認された」と書かれており、同原発の330kW高電圧送電線が被害を受けたという。
さらに同社は同日夜の2回目の砲撃についても報告した。同社は、「8月5日夜、ロシアテロリストは、再びザポリッジャ原子力発電所を多連装ロケットシステムで砲撃した。3つの『飛来』が発電所の敷地、原子炉近くにて確認された」と伝えた。
この砲撃により、窒素・酸素ステーションと統合補助館が著しく損傷したという。
同社は、「酸素の流出と放射性物質の飛散のリスクがある。火災の危険も高い。現在、犠牲者は出ていない」と伝えた。
また、発表によれば、ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」社の人員は、砲撃の前に敷地を急いで離れたという。ウクライナ側人員は、現場に滞在しており、安全確保・被害排除のための方策を行っていると書かれている。
ゼレンシキー宇大統領は6日夜の動画メッセージにて、今回の砲撃につきコメントした。
ゼレンシキー氏は、「占領者は、またしても欧州全体にとって極めてリスクのある状況を生み出した。彼らは、ザポリッジャ原子力発電所を砲撃したのだ。しかも1日に2回もだ。それは、私たちの大陸における最も大きな原発だ。その施設に対するどのような砲撃も、露骨で大胆な犯罪、テロ行為である」と発言した。
同氏はまた、ロシアは原発への脅威を生み出したという事実にてすでに責任を負わねばならないと強調した。「それは、ロシアをテロ支援国家と認定するのに有利となるさらなる根拠というだけではないのだ。それは、ロシアの原子力分野全体に対する強力な制裁を発動する上での根拠なのだ。ロスアトム社から、あらゆる関連企業、人員に対してである。それは安全問題である」と発言した。
さらに同氏は、他者に対して核の脅威を生み出すものは皆、原子力技術を安全に使う能力のない者だと述べた。