ロシア軍、ハルキウ市変電所をミサイルで攻撃=ウクライナ各地被害
国家非常事態庁ハルキウ州総局がフェイスブック・アカウントにて伝えた。
発表には、「21時頃、ハルキウ市に対して、またもミサイル攻撃が行われた。3弾のミサイルがホロドノヒルシキー地区にあるインフラ施設に着弾した。そこで2つの火災が発生。1件は、20平方メートルの敷地で変電所が炎上した。もう1件は、ミサイルが製造業の企業の建物を破壊し、焼失した。火災の範囲は300平方メートルとなった」と書かれている。
写真・動画:国家非常事態庁
また、「ハルキウ州電力」社広報室は、この火災により、1万8500世帯が停電に見舞われたと伝えた。
ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は28日、テレグラム・チャンネルにて、前日にロシア軍の攻撃により死亡したウクライナ国民は5名、負傷者は18名だと伝えた。
地域別には、ドネツィク州(東部)が死者5名、負傷者10名、ザポリッジャ州(南部)が負傷者2名、ハルキウ州(東部)が負傷者6名だったという。
その他、28日朝の時点の各地軍行政府の情報をもとにした被害情報報告書の概要以下のとおり。
ザポリッジャ州(南部):28日朝、ロシア軍はフリャイポレを砲撃。敵は、S-300のミサイル3弾で市の中心部を攻撃した。歴史文化財の地位を持つ建物が破壊され、道路が損傷した。
写真:スタルフ・ザポリッジャ州軍行政府長官
スーミ州(北部):27日夜、ロシア軍はクラスノピッリャ共同体を攻撃(40弾)。犠牲者・破壊なし。
ドニプロペトロウシク州(南部):28日未明、敵はニコポリ地区を砲撃。ニコポリでは家屋10軒、経済施設、学校、送ガス管、電線が損傷。約8000世帯が停電被害を受ける。マルハネツ共同体も砲撃あり。クリヴィー・リフ地区では、ウクライナ軍がミサイルKh-59を撃墜。
写真:レズニチェンコ・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官
ハルキウ州(東部):ロシア軍は、ハルキウ市へのミサイル攻撃の他、クプヤンシク地区、イジューム地区、ハルキウ地区、ボホドゥヒウ地区を砲撃。クプヤンシク地区の砲撃被害が最大。
ルハンシク州(東部):ウクライナ軍は、ザイツェヴェ、マヨルシク、ザリーズネ、ミコライウカ・ドルーハ、ペルヴォマイシケ、ポビェダ、ノヴォミハイリウカ、ベズイメンネで敵を撃退。
ドネツィク州(東部):28日未明、敵は前線沿いを砲撃し、朝はミコライウカへミサイル攻撃実施。学校に着弾。同学校は、住民のシェルターとして利用されており、着弾時点も12名(児童2名、障害者1名)が避難していた。現時点で1名の行方がわからない。州内では、過去24時間で、民間人が5名死亡、10名負傷。
スロヴヤンシクへの砲撃 写真:リャフ・スロヴヤンシク市軍行政府長官
ミコライウ州(南部):28日未明、ミコライウ市が再びミサイル攻撃を受けた(暫定評価ではS-300)。産業地区に被害。その他、パルティネへとクラスター弾での攻撃あり。犠牲者なし。作戦司令部の情報では、27日、敵の3機の自爆型無人機がオチャキウの港湾インフラへと飛行していたが、全て防空システムが撃墜。その他、ベレズネフヴァテ共同体のコンタクト・ライン上の村々、ノヴォオレクサンドリウカ、シローケが砲撃された。
ヘルソン州(南部):情勢は引き続き困難、戦闘が継続。敵は、ビロウソヴェ、イヴァニウカ、オリヒネ、アルハンヘリシケ、オソコリウカ、ノヴォヴォロンツォウカ、ヴィソコピッリャを砲撃。民間インフラが損傷、負傷者あり。占領者は、濾過(選別)方策を強めており、特に地元住民の携帯電話の確認に強い注意を割いている。住民の拉致が続いている。
その他の州は相対的に平穏だった。