ウクライナ軍、ベラルーシ国民に呼びかけ 「ルカシェンコはあなた方を戦争に引きずり込みたがっている」
ウクライナ軍がフェイスブック・アカウントに動画を掲載した。
ウクライナ軍は、「ウクライナ軍はベラルーシの人々に呼びかける! 私たちは、長年友好と善隣関係により結びつけられ、歴史の中で何度も共通の敵と戦い、常に互いを支え合ってきた。今日、あなた方の首脳陣は、ロシアの対ウクライナ武力侵略へと加わる準備をしており、ベラルーシの民を汚れた戦争へと引きずり込もうとしている」と伝えた。
また、動画では、ウクライナとの国境近くにおいて、ベラルーシ国民に対して、ロシアとの共同部隊への人員補充のための秘密動員が行われていることが指摘された。
さらにウクライナ軍は、ベラルーシに脅威をもたらしたことはこれまで一度もないと強調した。動画では、「2月24日以降、あなた方の国の領土は、ウクライナ領へのミサイル攻撃、航空機攻撃、火砲砲撃を加えるために利用されている。ベラルーシ領を通じて、キーウ方面への攻撃が行われた。ウクライナは、今もその侵略に対する反撃を行っていない。私たちは、あなた方の国の首脳陣の犯罪行為に反撃するより、私たちの民の間の友好を重視しているのだ。ルカシェンコ(編集注:ベラルーシ自称「大統領」)は演説にて、存在しない軍事脅威と予防的行動への準備について話している」と指摘されている。
また、ウクライナ軍は、ルカシェンコはベラルーシをロシアによる対ウクライナ戦争に参加する理由をごまかそうとしているとし、「侵攻の命令は、(ロシア・ベラルーシ)共同部隊が受けることになる。そして、ベラルーシ軍人が兄弟のウクライナの民との戦闘を拒否しても、共同部隊のロシア部分が彼らを引き込む可能性があるのだ。もしベラルーシ軍がロシア軍を支持するのであれば、私たちは反撃する。反撃は、ウクライナ領に駐留する全ての占領者に対するものと同様に強力なものとなり、全ての武器を用いて、あなた方の国の領土にある軍事施設への攻撃も行われるようになる」と説明した。
同時に、ウクライナ軍は、ウクライナ国民はそのような展開を求めていないと強調した。その上で、「私たちは、全てのベラルーシ国人に対して、あなた方の首脳陣による、ベラルーシ憲法と国際法規範により犯罪とみなされる対ウクライナ戦争への参加命令を遂行しないよう呼びかける。私たちは、あなた方に対して、ロシア軍がウクライナにで犯している戦争犯罪の責任を共有しないよう呼びかける。私たちは、あなた方に対して、プーチンとルカシェンコの野心、自らの権力を失う恐怖のために死ぬことになる自分たちの子供、夫、父親、兄弟を埋葬するようなことはしないよう呼びかける」と伝えた。
その他、動画では、戦争犯罪者はいずれにせよ裁かれると指摘されており、「壁は崩れ落ちるものであり、クレムリンの壁も永遠のものではない。帝国は崩壊するものだが、民は残る。普通の人々は、友にもなれれば、敵にもなり得る。どちらになるかは、ルカシェンコやプーチンによって左右されることではなく、あなた方一人一人にかかっていることだ。あなた方が何らかの形で、武器を持ってウクライナ国境を越えることを強制されるのであれば、その武器は使わないでくれ。止まり、銃を下ろし、ウクライナ軍の代表者を待ってくれ。その場合、誰もあなた方を撃つことはしない。神はウクライナとともにある。あなた方は、正しい選択をせねばならない。私たちは、あなたが正しい選択をすると確信している」と呼びかけた。
これに先立ち、20日、フロモウ・ウクライナ軍参謀本部総作戦局副局長は、ウクライナ北方前線においてロシアの侵攻が再開する脅威が増しており、その場合、敵はウクライナへの外国の支援供給路を遮断することを目的に、より西側のウクライナ・ベラルーシ国境から侵攻してくる可能性があると指摘していた。