欧州議会、ロシアの侵略犯罪を扱う国際特別法廷の設置を支持
欧州議会の472人の議員が賛成、19人が反対、33人が留保した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
決議には、「欧州議会は、ロシア連邦の政治的・軍事的首脳陣とその同盟者たちが犯した、ウクライナに対する侵略犯罪の断罪のための特別追加的法廷の設置において、欧州機構と加盟国によるリーダーシップが不可欠かつ急務であることを強調し、またそのような法廷は、同志国の間の国際的合意を基本とし、国連総会の支持を得た上で設置されねばならないと考える」と書かれている。
議員たちは、そのような行動手段により、現在の国際刑事法の穴を埋めることができるとし、またその際には新たに設置される法廷は国際刑事裁判所(ICC)とローマ規程の原則と基準に基づかねばならないと指摘した。
議員たちはさらに、欧州評議会のようなパートナーと連携して、国際司法を実現させ、ロシアの侵略実行が無罰とならないよう戦いを進めるようEUや加盟国に呼びかけた。その際、フォンデアライエン欧州委員会委員長がウクライナに対する侵略犯罪を裁くための特別法廷設置を提案したことを歓迎した。
加えて決議には、設置される特別法廷の管轄範囲は、ロシア連邦の政治・軍事首脳陣に対する捜査と懲罰であるべきだとの見方をしめしており、ローマ規程第8条の侵略犯罪認定に従い、2014年2月以降のウクライナに対する侵略犯罪を裁くべきだと書かれている。
また、議員たちは、特別法廷はICCによるウクライナでのジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪の捜査努力を補完すべきものだとし、ICCとの緊密な協力を行い、法廷はハーグに設置されるべきだと指摘した。また、そのような法廷の設置は、ウクライナの参加を得た上で、速やかに始められるべきだとも書かれている。
ゼレンシキー宇大統領は、ツイッター・アカウントにて、今回の採択を歓迎するメッセージを掲載した。
ゼレンシキー氏は、「欧州議会によるウクライナに対する侵略犯罪を扱う特別法廷の設置に関する決議の採択を歓迎する。私は、全てのパートナーたちにこのような法廷を支持することを呼びかける」と書き込んだ。
さらに同氏は、ロシアは侵略戦争の責任を追及されねばならず、正義は勝利せねばならないと強調した。