ゼレンシキー宇大統領、露軍ミサイルがモルドバとルーマニアの領空を侵犯したと発言 ルーマニアは確認せず
ゼレンシキー大統領が同日昼の動画メッセージにて伝えた。
ゼレンシキー氏は、「いくつかのロシアのロケットがモルドバとルーマニアの領空を侵犯した。これは、テロが際限を知らないこと、決して知ることはないことの証拠であり、ウクライナの防衛は欧州全体、世界全体の防衛、単に生きたいと望む一つ一つの国の防衛であることの証拠である。今日のミサイルは、北大西洋条約機構(NATO)への挑戦、集団安全保障への挑戦だ。これは、止めることができ、止めねばならないテロである。世界は、止めねばならない」と強調した。
また、同氏は、同日のロシア軍のミサイル攻撃で発射された少なくとも70弾のミサイルの内60弾は撃墜できたとしつつ、民間インフラが狙われ、着弾があり、犠牲者も出ていると伝えた。
ウクライナ空軍は同日、ミサイル撃墜の詳細として、ミサイル71弾中61弾を撃墜できたと発表している。
ルーマニア国防省は、「ラジオ・リバティ」ルーマニア語版の問い合わせに対して、露軍ミサイルのルーマニア領空の侵犯は確認していないと伝えた。
ルーマニア国防省はその際、「ルーマニアの領空を通過したとするロシアのミサイルに関する情報は、確認されていない」と伝えた。同時に同省は、更新された情報は後ほど提供すると補足した。
モルドバ国防省は、ロシア軍のミサイルが同国の領空を侵犯したと発表した。モルドバ・ニュースサイト「ニュースメーカー」が報じた。
モルドバ国防省は、「モルドバ関連機関と共同に注意深く地域の情勢を追っており、モルドバ共和国の領空侵犯を強く非難する」と伝えた。
ミサイルは、モクラ村(トランスニストリア)とコサウツァ(ソロカ県)の上空を通ったという。
これを受け、ポペスク・モルドバ外相は、抗議のために駐モルドバ・ロシア大使を召喚するという。
ウクライナ空軍司令部のイフナト報道官は、同日のテレビ番組出演時に、ルーマニアとモルドバの領空を通過するミサイルを撃墜することはできたが、両国民へのリスクがあることから行わなかったと発言した。
イフナト氏は、「NATO加盟国領空で敵のミサイル2弾がレーダーで観測され、ミサイルはそこから(ウクライナ西部)チェルニヒウ州へと入った。占領軍ミサイルがNATO加盟国の国境を越える初の事例である」と発言した。
同氏はまた、空軍は同地区で武器を使用し、ミサイル撃墜ができたかもしれないが、しかし、ミサイル破片がそれらの国の領土に落下するという明白な脅威があったため、そこではミサイルを撃墜しなかったと発言した。
なお、10日、ロシア軍は未明から日中にかけて、ウクライナに対して大規模なミサイル・無人機攻撃を行った。