ロシアの敗北は露国民にとっての利益=シコルスキ・ポーランド外相
シコルスキ外相がダボスにおけるウクライナ・ハウスでのディスカッションの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
シコルスキ氏は、「米大統領がプーチンに『この戦争を終結するための条件を作り出せ』という最後通牒を突きつけた。合意へ向かう時が来た、でなければ、米国とトランプ大統領がより強固に出る、というものだ。私たちは今、48時間前よりも良い状況にある。また、覚えておこう。歴史上、これまでロシアが戦争に負ける時は、クリミア戦争然り、日露戦争然り、第一次世界大戦後や、アフガニスタン戦争での敗北後や、『冷戦』での敗北後然り、常に同国で改革が生じたのだ。よって、ウクライナの勝利はウクライナや欧州の安全保障機構にとってのみならず、ロシアやロシア国民にとっても重要なのだ」と発言した。
また同氏は、プーチンは現在、西側と対決して敗北したソ連の首脳陣と同じ過ちを間違いなく繰り返していると指摘した。その際同氏は、プーチン自身も過去にブレジネフやソ連が国を破産させるほどの過剰な軍事支出を行ったと述べ、その過ちは繰り返してはならないと述べていたことを喚起しつつ、「しかし、クレムリンは現在、同じことを行っている」と指摘した。
そして同氏は、「ロシアは欧州を攻撃し、北欧諸国や、英国をはじめとするロシア人が資金を預けている国を含め、以前友好的だったり中立だったりしていた国を敵対的な国に変えている。ハイブリッド戦争はインターネットの混乱だけを意味するのではなく、サイバー攻撃、殺人、バルト海やら英仏海峡などでの敵対行為も意味する。そして、私たちは、彼らの損害を加える能力を削減するために行動せねばならない」と発言した。
その他同氏は、ウクライナの状況について、EUからの著しい支援と、ロシア凍結資産からの融資によって、ウクライナは年内の自らのニーズを満たすことができていると述べた。さらに同氏は、最近ウクライナへの様々な兵器の供給においてある種のピークが生じたとし、プーチンはそれを考慮すべきだと発言した。
また同氏は、ポーランドは今後6か月間EU議長国を務めることからも、自らの義務を果たすとし、「私たちは、(編集注:ウクライナのEU加盟)交渉にて、法の支配に関する1つのクラスターを開くことを期待しており、また欧州の外政に関してももう1つ期待していく」と発言した。
写真:オマル・ハヴァナ/ゲッティ