イランによるウクライナ機撃墜から2年 キーウにて市民が犠牲者追悼
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
昨年設置された追悼碑には、市民が花や追悼用のランプを捧げている。
写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム
ウクライナ国際航空のイェウヘン・ディフネ総裁は、「この苦しい日は、私たち皆のためにある。遺族、友人、会社の痛みは何年も楽にならない。これは、遺族皆への哀悼の日だ」と発言した。
マクシム・ヤクボウシキー検事副総長は、「ウクライナは、この分野で何も異常なことは要求していない。私たちは、二つのシンプルな事、真実と正義を求めているだけだ。真実とは、2年前のこの日、実際には何が起きたのか。正義とは、罪人への罰と被害者への賠償だ。残念ながら、現在真実と正義への願いを表明していない唯一の者は、この罪を犯した側である。私たちは、真実と正義に向かって共に進んでいく」と発言した。
イェウヘーニー・イェーニン内務次官は、ウクライナ側は、イラン側との協議の際常に本件はお金に関することではないことを証明しようと努めているとし、「この恐ろしい犯罪を行った者たちは、その責任を負わねばならない。あなた方、遺族、そしてウクライナの人々皆が、正義を受け取らなければならない」と強調した。
また、6日には、カナダ、スウェーデン、ウクライナ、英国の4国外相がPS752撃墜事件から2年経過に合わせた共同声明を発出している。ウクライナ外務省ウェブサイトに声明が掲載された。
外相たちは、同事件の176名の犠牲者を追悼した上で、イラン側に国際法上の義務に従った賠償金の完全な支払いに向け、良心を持った協議を行うように呼びかけている。外相たちは、2022年1月5日に協議を行うことを提案したが、イラン側から「国際グループとの協議の必要性を見出していない」との回答を得たと明かした。
また外相たちは、「イランが国際法上の自らの義務の履行を回避し続けているのは明らか」だとし、国際グループはイランの今後の説得の試みは無駄だと判断し、現在、本件の解決につき国際法規範に従った行動に集中すると書かれている。
その他、8日、カナダのトルドー首相は、ツイッター・アカウントにて、犠牲者遺族とオンラインで面会したことを伝えた。トルドー氏は、「私たちの政府は、正義と説明責任を巡る闘いで止まることはない」と伝えている。
2020年1月8日、イラン首都テヘラン近く上空にて、ウクライナ国際航空旅客機PS752が撃墜され、乗員・乗客計176名が死亡した。
イラン政権は、事件後数日にわたり、関与を否定していたが、その後、同機の防空ミサイルシステムでの誤射による撃墜を認めた。
2021年3月17日、ドミトロー・クレーバ外相は、イランが発表した報告書は事件の真の原因を隠蔽するものだと発言していた。