ロシア軍人、ウクライナ女性をさらい、1年半にわたり性的奴隷として監禁=警察
国家警察ハルキウ州のボルヴィノウ捜査局長がフェイスブック・アカウントで伝えた。
ボルヴィノウ氏は、「ベルゴロドで1年半にわたり監禁されていた、当時21歳の小さな村の女性の話だ。(編集注:ハルキウ州)イジューム地区がロシア人に制圧されていた時だ。占領者の一人が女性に言い寄ろうとして、拒絶されたところ、脅迫を始めた。武器で脅し、家族を殺すと言い、女性を人のいない建物に連れて行き、強姦した」と伝えた。
2022年6月13日、占領者は女性のところに他2人の武器を持った軍人とやってきて、家を出る準備をするように命じたという。
ボルヴィノウ氏は、「拒否したら、家族全員をその場で銃殺すると述べたのだ。そうして、そのウクライナ人女性はハルキウ州から(編集注:ロシア領)ベルゴロドへと性的奴隷として連れて行かれた。そこで占領者はアパートの中に彼女を閉じ込め、身分証明書と電話を奪い、欲求のある時にそこを訪れていた。犠牲者の女性は精神が破壊され、何をすべきか、どのように身を守れるのか、わからなかった。1年半、彼女は監禁されたまま生きていた。窓もバルコニーも鉄格子で、体系的に暴力を振るわれ、虐待され、強姦されていた。女性は、生き延びる手段を一切見つけられず、2023年初頭に自殺を試みた。ホウ酸を飲んだのである」と伝えた。
女性は病院で治療を受けたが、ロシアの医師は彼女の言葉を信じなかったか、あるいは信じたがらなかったという。身体の物理的健康が回復したら、女性は元来た場所へと戻されたという。
さらにボルヴィノウ氏は、「その女性が助かったのは奇跡である。彼女を苦しめていた人物が脱走兵であったことが判明。その契約軍人は、基地を勝手に離れて、それにより拘束された。その後、監禁されていた女性は親族と連絡が取れるようになり、ようやくロシアから脱出することができた。そして、ウクライナにて、医師と精神科医が彼女の治療にあたっている。私たちにこの凄惨な事例を報告したのは国境警備隊員である。そして、軍の捜査官がすぐに仕事を開始し、被害者を捜索し、証拠を集めることができた」と書き込んだ。
また同氏は、この苦しく注目を集める事件の捜査を行なっているのは、女性捜査官のハンナ・ポノマレンコ氏だと伝えた。ボルヴィノウ氏は、「本件において、犠牲者のトラウマを最小限にするための、犠牲者への接触、正しいコミュニケーションのトーンや形式の選択方法を見つけるのは非常に難しい。私たちは、このカテゴリーの犯罪に関する国際的スタンダードにしたがって作業している。証言者、犠牲者、その親族に完全な機密性を保証している。今回の事件は、紛争に関する性的暴力、同時に奴隷、違法追放を告発する初の得意なものである」と説明した。
なお、加害者のロシア占領者に対しては、遠隔で容疑が伝達された上で、指名手配が指定されているという。