OSCE特別代表、ゾロテーの兵力引き離しを「大きな前進」と評価
29日、サイディック特別代表が、ミンスクでのTCG会合後に発言した。ベラルーシ国営ベルタ通信が報じた。
サイディック氏は、「本日、双方が大きな前進を行った」と強調した。
同氏はまたб先立って兵力引き離しが実現された同州東部のスタニツャ・ルハンシカにて、橋の改修が大きく進んでいることも指摘した。
一方、同氏は、前回のTCG会合時に指摘したのと同様、停戦維持は肯定的に評価できないと述べた。同氏は、「停戦違反件数は、停戦開始前よりは低いが、しかし件数は揺れている」と指摘した。
加えて同氏は、双方に対して、「民間人への政治的・人道的責任を自覚した上で、安定した停戦を確保するための必要な行動をとるよう」要請した。
同氏は、同日のTCGの4つの作業部会の協議に関して、経済問題作業部会は多くの専門家の出席を得た上で、水の供給問題を議論したと伝えた。双方は、「ドンバス水道」社の国際監査を始める可能性につき同意したとのこと。国際赤十字委員会(ICRC)が関連の入札を公表すると指摘された。
同氏は、人道問題作業部会では、紛争関連の被拘束者交換の議論を継続し、大規模交換に向けた真剣な作業が行われていると述べた。
政治問題作業部会では、シュタインマイヤー・フォーミュラ実現に関連した問題を協議したとのこと。
また、次回のTCG会合は11月12日に開催されると伝えられた。
これに先立ち、10月29日正午、東部ルハンシク州ゾロテー4第2地点にて、双方同時の軍の引き離しプロセスが開始したと発表されていた。
なお、ドンバス地方3地点での兵力・機器の引き離しは、もともと2016年に合意されていたもの。その際、TCGが、スタニツャ・ルハンシカ、ゾロテー、ペトリウシケの3地点における兵力等引き離しに関する枠組み合意に署名していたが、武装集団が引き離し条件に違反をし続けたため、双方は、引き離しを開始せず、元の防衛地点に戻っていた。