ミリー米統合参謀本部議長、ウクライナへのF16訓練の決定が圧力を受けて採択されたとの見方を否定
ミリー統合参謀本部議長が25日に開催されたウクライナ防衛問題コンタクトグループ・オンライン会合(ラムシュタイン会合)後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ミリー氏は、「空を守る最善かつ最安価な手段は、地上からの手段だ。様々な射程のミサイルを含む防空統合システムがロシア人に空を支配させない最善の手段であり、ウクライナ人はそれをうまくやってきた」と発言した。
また同氏は、戦闘機F16は「戦争における何らかの奇跡的な武器ではない」とし、そもそも奇跡の武器は存在しないと指摘した。
同時に同氏は、それでもウクライナへと航空機を渡す決定は、その時点のていねいな情報分析の後に採択されたと述べた。同氏は、完全に防衛戦闘が行われていた戦争初期は、ウクライナは国境を越えて侵入してきた装甲車からの防衛手段を必要としていたのであり、その際に正にそのような武器が提供されたと発言した。
そして、航空機供与関連の決定が「圧力を受けて」下されたとする見方を否定し、「それは、現在と将来の戦場で必要なことのリスクと費用のていねいな分析の結果であった」とし、決定はウクライナのパートナーと緊密に調整して採択されたと述べた。
その際同氏は、制空のための航空機の適切な活用には、かなりの数の第5世代戦闘機と関連装備のパッケージが必要だと指摘した。そして、同氏は、航空機の値段に注意を促し、「私たちは10機の航空機で20億ドルがかかると話している。ロシア人は、第5世代戦闘機を1000機保有しているのだ」と述べた上で、完全な航空戦力を作り出すには時間がかかると補足した。
さらに同氏は、航空機供与がもっと早く決められていたら、その場合ウクライナは歩兵戦闘車も戦車も手に入れられなかっただろうと指摘し、なぜなら装甲車供与資金が航空機にあてられてしまうからだと述べた。同氏は、そのため友好国がまず防空システムを供与して、ロシアの制空能力を奪ったのは正しかったと結論づけた。
写真:AA