ウクライナ、チェコとスロヴェニアとの間で二国間安全保障協定を締結
ウクライナ大統領府広報室が公表した。
チェコとの間の協定に関する大統領府発表には、ロシアの全面侵攻開始時から、チェコはウクライナに総額約4億ユーロの軍事支援を提供しており、同国は協定が効力を持つ今後10年間も同様のダイナミズムでの支援を続けることが説明されている。また、チェコは、ウクライナのニーズを考慮して追加軍事機材の供給案も分析していくという。
発表によれば、協定の大きな部分が軍事技術分野強力の強化、とりわけ、小口径・大口径弾薬、銃器・軽火器、無人機、電子戦機器、重火器の製造可能性について割かれている。チェコは今後も、パートナー国の支援を得た上で、155ミリ・122ミリ口径銃弾砲弾役供給イニシアティブの一環でウクライナを支援していく。さらに、ウクライナとチェコは、自国内での弾役生産の産業能力を高めていき、共同企業を設置していく。
また両国は、約4000人のウクライナ軍人の訓練を毎年行っていく。今年は、対ウクライナ訓練ミッション(EUMAM)の一環で引き続き訓練が行われる。
非軍事分野の強力の特徴は、チェコとウクライナ南部ドニプロ市、ドニプロペトロウシク州の復興・発展のためのパートナーシップだという。チェコは、協力・支援の強化のためにドニプロに外交代表部を開設する意向だという。
チェコからの人道分野支援は、国内避難民をはじめとする戦争で被害を受けたウクライナ国民のための支援が想定されている。
また、チェコは、ウクライナの将来の欧州連合(EU)・北大西洋条約機構(NATO)加盟への支持を明確に確認した。
大統領府は、同協定の本文を公開している。
スロベニアとの間で締結された協定について、大統領府広報室の発表には、「スロベニアは、すでにウクライナに13の軍事支援パッケージを提供しており、協定が効力を持つ10年間、同様の支援水準を維持する意向を持つ。スロベニアはまた、安全保障能力強化のためのウクライナの喫緊のニーズを満たすことにコミットしている」と書かれている。
発表によれば、スロベニアは今後ウクライナにEUMAMの枠組みでの訓練を促進していく。また、両国は、ウクライナ防衛産業のプロジェクト実現支援のための財政源を模索する協力を行う。
非軍事支援分野では、スロベニアは、人道支援、経済復興、「ウクライナからの穀物」プログラム支援のために500万ユーロを追加で拠出する。
さらに、情報・サイバーセキュリティ、組織犯罪対策、インテリジェンス・防諜、人道地雷除去の分野の協力深化の記述もある。
加えてスロベニアは、ウクライナの将来のEU・NATO加盟への支持を明確に確認した。
また大統領府は、同協定の本文を公開している。