ウクライナ大使、トルコの自由貿易圏協定締結が遅れている理由を説明
ヴァシーリ・ボドナール在トルコ・ウクライナ大使(外務次官)が国営テレビ局「家」出演時に発言した。
ボドナール氏は、「協議が長引いている理由についてだが、それについては12年前には合意していた。協定のテキストについては書き終わっている。問題は、テキストや適用対象となる各品目グループの表への書き込みの段階にある」と発言した。
同氏は、協議の際、双方が自らの国益を最大限防衛しているとし、「ウクライナもトルコも農産品と工業製品の大きな製造者である。何より、金属だ。それが二つの最大の品目グループであり、それにより、協議が現在まで長期間続いているのである。問題は、国内市場への影響と将来の貿易から得られるメリットの間のバランスにある。そのバランスを達成しなければならない」と説明した。
同氏は、ウクライナには自由化された市場があり、あらゆる品目グループにとって開かれていると述べつつ、他方で「トルコ市場はかなり閉鎖的である。特に農産品にとってそうだ。当然ながら、より安価なウクライナ製品をその市場に受け入れる準備のない大型生産業者がいるのだ。一方で、トルコのトマトはウクライナで広く出回っている。私たちも、トマトや小麦やひまわり油をトルコへ売る権利を持っている自国の生産業者を守らなければならない。トルコの国内市場にとって何らかの形で脅威とみなされている物の数は、実のところ非常に多いのである」と指摘した。
同時に、ウクライナ側は軽工業分野にて懸念を抱いているという。ボドナール氏は、「トルコには、かなり発展したテクスタイル産業がある。ウクライナでは、同産業はようやく現れはじめたところだ。もし現在、その利益のバランスを取らなければ、私たちの産業は成長できなくなるかもしれない。なぜなら、トルコの生産業が提案する価格は、ウクライナの産業を瞬時に葬り去るかもしれないからだ」と強調した。
同氏は、類似の問題は「非常に多い」と述べ、「私たちは、単に文書の合意をしなければいけないだけでなく、貿易を刺激しなければならないのだ」と指摘した。
加えて同氏は、ウクライナの生産業が現在トルコ市場に参入するのには困難があるとし、「トルコ市場の国内規制は、自由に競争することを不可能としている。関税が小麦に対して180%、肉に対して120%かけられていたら、どうしたら競争ができるだろうか。あるいは、例えば、ウクライナのアルコール飲料である。その市場はかなり強固に保護されており、単なる市場参入はできない」と説明した。
同時に同氏は、ウクライナも何らかの問題では自らの市場を守らなければならないといけなくなるだろうと述べ、「自由化は良いものであり、発展を刺激するが、ある時には、外国の製品が国内製品と深刻な競争を強いることもある。私たちはすでにそれを感じている」と発言した。