無人機爆破でザポリッジャ原発敷地内の原子炉屋根に軽微な損傷、軍用車破損=IAEA
7日、IAEAが公式ウェブサイトにて報告した。
発表には、「ザポリッジャ原発から無人機攻撃に関する情報を受け取った後、現地に滞在するIAEA専門家が被害を受けた3か所へ向かった。彼らは、無人機爆発による物理的影響を確認することができた。その中には、狙われたらしき監視・通信機材のある6つの原子炉の建物も含まれる。彼らが6号機の屋根にいた時、ロシア軍は接近してきた無人機と思われるものと交戦した。その後、原子炉の建物の近くで爆発が起きた」と書かれている。
IAEAチームは、その場所と敷地内の別の2か所で無人機の残骸を確認したとし、「その内の1か所、研究所の外で、彼らは破損した軍用輸送車のそばで血痕を見ており、それは少なくとも1人の死傷者が出たことを示している」と伝えた。
さらに専門家たちは、日中を通じて、現場で爆発音と銃撃音を聞いたとし、さらに、ザポリッジャ原発の近くからの数発の砲撃音も聞いたと報告した。
同時に専門家たちは、「原子力の安全・セキュリティにとって重要なシステム、構造物、部品への構造的損傷は一切確認していない」としつつ、同時に、6号機の原子炉ドームの屋根の上部に軽微な表面の焦げと、一時補給水貯蔵タンクを支えるコンクリートの板への引っ掻き傷を確認したと伝えた。
グロッシーIAEA事務局長は、「6号機原子炉への損傷は原子力の安全性を損なうものではなかったが、これは原子炉格納容器の一体性を弱体化させる可能性のある深刻な事件であった」と述べた。
7日、ウクライナ国防省情報総局のユソウ氏は、ウクラインシカ・プラウダ通信に対して、ウクライナ側はザポリッジャ原発の武力挑発行為に関与していないとコメントした。
ユソウ氏は、「ウクライナは、ロシアにより違法に占拠されているザポリッジャ原発の敷地内におけるいかなる武力挑発行為にも関与していない。侵略国は、原子力施設、民間人、欧州全体の環境を改めて危険にさらしている。見せかけのものをはじめ、ウクライナの原子力発電所の施設内でのロシアの攻撃は、そこに軍や武器を配備したり、ザポリッジャ原発施設に爆弾を設置することと同様、占領者の長らくよく知られた、恒常的な犯罪的実践である」と発言した。
同氏はまた、ロシアはザポリッジャ原発の全ての施設から軍を撤退させねばならず、それによってのみ国際法規範の遵守と重要原子力施設のコントロールが回復できると強調した。
これに先立ち、IAEAは、7日にロシアの占拠が続くウクライナ南部のザポリッジャ原子力発電所の敷地内で無人機が爆発したと報告していた。