ゼレンシキー大統領、ベラルーシが露にワグナー傭兵を引き渡したことにつき「悪い出来事だ」
15日、ゼレンシキー大統領がフェイスブック・アカウントにコメントを掲載した。
大統領は、「ワグナーたち、つまりベラルーシがロシアに明け渡した現代戦争の悪魔についてのことだ。私の考えでは、それは奇妙なこと、誤ったこと、間違い無く国家間の友好的関係において受け入れられないことだと思う。(中略)これは、悪い出来事だ。明らかに信頼、客観性、否定的影響への適切な評価を度外視した出来事だ」と書き込んだ。
大統領は、ベラルーシで公人により言及のあった、「ウクライナによるベラルーシ内政への介入」などというものは一切存在しない、それどころか、ベラルーシ内政への介入に間違いなく関係していた人物たち(編集注:ワグナー傭兵を意味する)が示威的に第三国(編集注:ロシア)に明け渡されたと指摘した。
その上で大統領は、「ベラルーシ領にて最近拘束された民間軍事会社『ワグナー』の戦闘員は、ロシアへ送られた。完全に法的で、完全に客観的な情勢への評価アプローチについて、合意があったにもかかわらずだ」と強調した。
ゼレンシキー大統領は、ウクライナ検事総局がベラルーシ検事総局に対して、拘束者(内9名がウクライナ国民)のウクライナへの引き渡しを要請していたとし、これら人物がウクライナ刑法典にもとづいたテロ組織参加容疑がベラルーシ側に伝えられていたと喚起しつつ、これに対してベラルーシ側からの返答はなかったと指摘した。更に大統領は、外交や個人的チャンネルを活発に利用して、ベラルーシ側に対して、ウクライナ側に引き渡すことの正しさについて証明してきたと述べ、「しかしそのように行動されなかった」と伝えた。
大統領は、「そのような決定は、不正義的であり、ウクライナとベラルーシの間の尊敬と相互支援の原則の上に立つ関係の精神に合致するものではないと思っている」と強調した。
続けて大統領は、今回のベラルーシの決定の悪影響は悲劇的なものになると指摘し、「私たちは、ワグナーたちは彼らの通常課題である戦争拡散に戻ると理解している。神よ、ベラルーシ政権が、自国領にてもう一つの湧き上がる血塗られたドンバス(編集注:のような紛争)を得ることがありませんように。そのワグナーたちは皆、それを生み出すことが非常に上手なのだ。なぜなら彼らは、拡大主義と暴力の存在だからだ」と発言した。
同時に、大統領は、ワグナー傭兵たちや、その他の「死のビジネスを行う者」たちは必ず責任を負うことになることを理解しなければならないと指摘し、「法の前、あるいは神の前にて、(責任を負うことになると)時間が示すだろう。責任から逃れることはできない」と強調した。
これに先立ち、7月29日、ベラルーシ当局は、ミンスク近郊にてロシアの民間軍事会社「ワグナー」の傭兵を33名拘束していた。ウクライナ政権は、拘束された者のうち28名は過去にドンバス紛争に参加し、ウクライナ政権に対して戦っていた者だと指摘し、ベラルーシ側に対してウクライナへの引き渡しを要請していた。
8月14日、これら拘束されたワグナー傭兵の内32名がベラルーシからロシア連邦に返還されたことが伝えられている。