「ウクライナはベラルーシとの全ての外交コンタクトを停止した」=クレーバ外相
27日、ドミトロー・クレーバ外相が1+1局の政治トークショー出演中に発言した。
外相は、ウクライナは欧州連合(EU)によるベラルーシ情勢の声明に加わったことを報告した他、ウクライナとベラルーシの二国間コンタクトの再開は、ウクライナが評判を失うことがないと確信を得た時となると指摘した。
外相は、「ベラルーシ政権はたった今、平和な抗議者に暴力を行使した。私は、ルブリン・トライアングル(ポーランド、リトアニア、ウクライナの3国)の外務省声明を主導したのであり、私たちは声明で暴力を非難している」と発言した。
続けて外相は、その後ウクライナ外務省は自らの立場を詳細に説明する声明を出しており、同声明にてウクライナはEUの立場を共有すると言及していると指摘した。
その上で外相は、ウクライナは現在ベラルーシとの関係を停止しており、「自国大使を協議のために召還するという、他のどの国もまだしていない真剣な外交的行為」を行なったと伝えた。
外相は、「私たちは、状況の進展をフォローしており、ベラルーシとのコンタクトが評判、道徳、倫理の面でウクライナにとって損失を生み出さないことを私たちが確信したら、そのコンタクトは再開される」と発言した。
更には、外相は、ウクライナとベラルーシの大統領間(ルカシェンコ氏とゼレンシキー氏)には、予定上も全く連絡をとる予定はないと指摘した。
加えて外相は、ドンバス情勢協議(編集注:三者コンタクト・グループ(TCG)会合)を、ミンスクから他の場所へ移動させる可能性も指摘しつつ、現在は移動するための根拠がないが、根拠があらわれれば、ウクライナは変更に同意する用意があると発言した。
なお、ベラルーシでは、8月9日に大統領選挙が実施され、その後、中央選挙管理委員会が14日に、最終開票結果として、現役大統領のアレクサンドル・ルカシェンコ候補の得票80.1%であり、有力視されていたスヴェトラナ・チハノフスカヤ候補の得票は10.1%だったと発表した。
これに対して、ベラルーシ市民が全国にて、中央選管の発表に疑問を提示して抗議を続けている。抗議者たちは、選挙結果は捏造されており、実際にはチハノフスカヤ候補がルカシェンコ候補に大差で勝利したと考えている。この抗議運動により、抗議者と治安機関の間で衝突が起き、多くの拘束者や死傷者が出ている。
チハノフスカヤ氏は25日、欧州議会外務委員会臨時会合におけるスピーチの際に「ベラルーシ人の要求は、公正で自由な選挙」だと説明している。
人権保護センター「ヴャスナ」は、27日、ベラルーシ首都ミンスクの独立広場にて、治安機関により抗議者や記者が200名以上拘束されたと報告している。