ウクライナ侵攻はロシア自身にとっての脅威になり得る=クレーバ宇外相
クレーバ外相がラトビアのニュースサイト「サルグス」へのインタビュー時に発言した。在ラトビア・ウクライナ大使館が伝えた。
クレーバ氏は、「ウクライナ侵攻は、ロシア自身にとっての脅威になり得る。長年、ロシアは、自国民を洗脳し、プロパガンダメディアを通じてウクライナを非人道的に描き、侮辱するために数百万の資金を投じてきた。それにもかかわらず、ロシアは、ウクライナからロシア兵の無数の棺桶が届いた場合に、ロシア社会がどのように反応するかは理解していないのだ」と発言した。
同氏は、ウクライナは2014年時点ではロシアの侵略に対して全く準備ができていなかったとしつつ、しかし、その時でさえロシアはウクライナからドネツィク・ルハンシク両州の一部という比較的小さな領土しか奪うことができなかったと指摘した。
その上で同氏は、「今、私たちの軍は、(当時とは)比較できないほど強くなっている。もしロシアが、戦争に踏み切ってしまうのであれば、その時は、ロシア兵の2014年の比ではないほどの甚大な死者数を考慮せねばならなくなる。それは大殺害となる」と警告した。
そして、同氏は、ロシアもそのことを理解していると指摘し、2021年春、ロシアが軍事演習の準備を装って、ウクライナ国境沿いに軍を集結させた際、その他の部隊とともに野戦病院を展開していたことを指摘した。同氏は、「通常の軍事演習ではそのような野戦病院を組み立てないことは、誰にとっても明白である。それは、もしウクライナ侵攻の命令が降れば、戦争のレベルは全く異なるものとなることを、ロシア軍幹部が良く認識していることを示している」と発言した。
また、ウクライナ社会のロシアの侵略に対する準備について、クレーバ外相は、2014年時点で、何千人もの国民が軍に志願し、志願兵として前線に向かったことを喚起し、「自信過剰に聞こえることは望まないのだが、しかし、ロシアもそれを良く理解していると言おう。クレムリンは、私たちがはるかに強くなっていることを知っている。そのため、現時点ですでに、ロシアがその侵攻計画に2014年当時より多くの注意を割いているのが看取できるのだ。さらに、もしロシアが現在侵攻すれば、同国はもはや、紛争の当事者ではないだとと言って、その事実を隠すことはできなくなる。そうなれば、ロシアは、侵攻について完全な責任を負わざるを得なくなるのだ」と強調した。
同氏は、侵攻が生じた場合、ウクライナは、全国で動員をかけなければならなくなると発言し、「人々の中には、現政府や最高会議議員を嫌いな人もいるし、国民は互いに対立することもある。しかし、人々は自らの国、自由を守らざるを得なくなれば、ウクライナ人は団結する。自由とウクライナの独立国家としての存在の継続は、ウクライナ社会にとって、最も根源的な価値なのだ」と強調した。