穀物回廊合意にウクライナ、トルコ、国連、ロシアが署名 120日間の輸出航路確保
ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
署名は、ウクライナ、国連、トルコのものと、内容の同じ、ロシア、国連、トルコのものの2部に対して行われた。
ウクライナとの署名は、クブラコウ・ウクライナ・インフラ相、グテーレス国連事務総長、アカル・トルコ国防相。
ロシア側の合意には、ショイグ国防相が署名した。
署名後、クブラコウ宇インフラ相は、フェイスブック・アカウントにて、同合意の概要を説明した。同氏は、「合意は、署名日から120日間効力を持ち、関係者が効力停止の意向を通達しなければ、同じ期間の延長が可能である」と書き込んだ。
また同氏は、食糧輸出に用いられるのは、オデーサ、チョルノモルシク、ピウデンニーのウクライナ南部の3港であり、そこでの活動とコントロールはウクライナ政権の管理下で行われるとし、つまり、ウクライナの港のコントロールはウクライナ側が行い続けるということだと強調した。
同氏は、「穀物と関連食糧品の輸出を確保するものを除いて、その他の船の動きは、一切想定されていない」と発言した。
さらに同氏は、「この文書をウクライナの条件で署名できたのは、ひとえにウクライナ軍のおかげである。ウクライナ軍の戦果により、ウクライナにとっての重要な条件が防衛できたのだ。具体的には、黒海南・西海域の領海の完全なコントロール維持である。何よりも、それがウクライナ経済への大きなサポートである」と強調した。
加えて同氏は、専門家の評価では、ウクライナの穀物の輸出が可能となることで、世界の食糧品の価格が低下し、世界中で問題となっている大型インフラを抑制することになると指摘した。
また同氏は、今回の合意によれば、ウクライナの領海における全ての活動は、ウクライナの庇護と責任の下で行われていくと伝えた。
その他同氏は、イスタンブルにて、国連の庇護下で、ウクライナ、トルコ、国連、ロシアの代表者が参加する共同調整センターが設置され、そこで総合監視と、封鎖の解除されたウクライナの港へ向かう船舶の登録、輸送・入港予定の確定といった、合意の実現の調整が行われていくと説明した。
さらに、全ての関係者が参加する特別監査グループが設置され、このグループが船舶にて許可されていない貨物や人員がないか、確認していくという。このようなグループは、ボスポラス海峡の港で活動するという。
クブラコウ氏はさらに、ウクライナは今回の合意のおかげで、倉庫にある約2000万トンの穀物を緊急輸出できるようになり、空いた倉庫にさらなる収穫物を詰め込めるようになるし、外貨も追加的に獲得できるようになると指摘した。
さらに同氏は、アフリカ・アジアの4億人以上の社会的・経済的に脆弱な層が食糧を受け取れるようになるとし、ウクライナ穀物の解放により、世界の食糧価格が低下し得ると述べた。