ウクライナの特別汚職対策検察長にクリメンコ氏が就任
イェルマーク宇大統領府長官がテレグラム・チャンネルにて伝えた。
イェルマーク氏は、「今日、SAP長が任命された。SAP長になったのは、オレクサンドル・クリメンコ氏だ。彼は、選考委員会により、公正な選考の勝者となった人物である。アンドリー・コースチン新検事総長が自身の任命直後に同選考結果を確定した」と報告した。
またイェルマーク氏は、コースチン検事総長の仕事の開始、クリメンコSAP長の任命と効果的な業務を祈願した。
加えて同氏は、「独立した汚職対策インフラは、ウクライナの民主主義の重要な要素だ。汚職との闘いは、私たちの国家にとっての優先課題である。なぜなら、その成功に、私たちの投資の魅力とビジネスの自由がかかっているからだ」と書き込んだ。
これに先立ち、7月19日、SAP長選考委員会が、新たなSAP長候補としてオレクサンドル・クリメンコ氏の選出の確定を発表していた。
ウクライナの主要な汚職対策機構には、政権高官の汚職犯罪に特化して、独立した刑事捜査を行う国家汚職対策局(NABU)、NABUの捜査管理や起訴を行う検察機構のSAP、これら機関の汚職犯罪に特化した裁判を行う「高等反汚職裁判所」がある。この内、ホロドニツィキー前SAP長が2020年8月に辞任して以来、SAP長選考委員会が新SAP長候補を確定できておらず、同職は2年近く空席の状態が続いている。
なお、欧州委員会は、6月16日に、ウクライナへの欧州連合(EU)加盟候補国地位付与の勧告に並び、今後ウクライナにより行われる課題のリストを公開していた。その際、欧州委員会は、「新しいSAP長につき、選考が認められた人物の宣誓を通じた任命プロセスの終了と、新しいNABU局長の選考と任命プロセスの終了」がウクライナによって行われることを前提に、ウクライナに対してEU加盟候補国地位を付与することを勧告している。
7月12日、駐ウクライナのG7各国の大使で構成される「G7大使ウクライナ・サポート・グループ」は、ウクライナ政権がSAP長を時宜を得て任命することが決定的に重要だとするメッセージを発出していた。