欧州議会、ロシアのウクライナ侵略開始1年に合わせて決議採択
賛成は444人、反対は26人、保留は37人だった。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
決議では、2022年2月24日にロシアが犯罪であり、いわれのない、正当化できない侵略戦争を始めたこと、それが国連憲章と国際法の基本的原則への著しい侵害であることが指摘されている。
また、侵略戦争の際に、ロシア軍が民間家屋や民間インフラへ無差別に攻撃し、数百人の児童を含む多くの民間人が死亡していることが喚起された。また、ロシア軍による、民間人に対する殺人、拷問、虐待、性的暴行、拉致、強制移住が指摘されている。
加えて2014年のクリミア「併合」の試みに続く、2022年9月のロシアによる、ウクライナ4州の「併合」と称する行為についても喚起されており、ロシアが占領地でウクライナのアイデンティティ、ウクライナ文化、国家性を消し去るために、ジェノサイド・民族浄化政策、大規模な蛮行を行っていると説明された。
また、ロシアがウクライナからの穀物輸出の妨害により、世界中での飢餓のリスクが生じたことが喚起されている。
欧州議会は、ロシアに対して、全ての軍事行動を止めた上で国際的に認められたウクライナ領全土から撤退し、民間人の強制追放を止め、拘束する全てのウクライナ国民の解放を要求している。
また、EU加盟国と国際社会に対しては、ウクライナが侵略から自衛する権利を行使できるように、同国へと経済・軍事支援を提供し続けるよう呼びかけられている。
とりわけ欧州議会は、ロシアへの勝利、ロシア軍のウクライナ領からの追放という目的は、ウクライナへの例外なくあらゆる武器の供給を恒常的に増やしていくことによってのみ達成可能だとの見方を示している。その上で、議員たちは、必要な限りずっとウクライナへ軍事支援を提供することを支持すると表明した。
また、EU加盟国、米国、英国、カナダに対して、主力戦車のウクライナへの提供意図の迅速な履行を呼びかけるとともに、重火器・防空システム供給に関するウクライナの重要な要請の分析にて、同盟国間で緊密に調整・団結することの重要性を説き、さらに「ウクライナへの西側戦闘機、ヘリ、然るべきミサイルシステムの提供可能性を真剣に考慮し、また弾薬供給を著しく増やすよう」要請した。
その他欧州議会は、改めて、ウクライナや国際社会とともに、ロシアのウクライナに対する侵略犯罪を捜査し、罰するための特別法廷の設置を呼びかけた。同時に、侵略犯罪のみならず、戦争犯罪・人道への罪の実行犯の責任追及に向けて、国際刑事裁判所の活動への完全な支持を確認した。
さらに、決議は、ウクライナ児童のロシアへの強制移送・追放、ロシア人家族への強制適応がウクライナ国内法や国際法への違反であることを指摘した上で、特にジェノサイド条約第2条にもとづき、ジェノサイドの罪を構成するものであることが指摘されており、この点に関して、国際釈迦に対して、戦時下の人権侵害の証拠の収集、記録、保存のウクライナ政権の努力を支持することを要請している。
その他欧州議会は、EUと加盟国に対して、国連安保理など国際機関におけるロシアの議席剥奪を含め、ロシアの国際的孤立を目指す行動を行うことを呼びかけている。