クレーバ宇外相、ウクライナの「正義の平和」の原則を説く国連総会決議案を説明
クレーバ外相は同演説で総会決議案「ウクライナにおける包括的で正義のある強固な平和の基本にある原則」を紹介した。
クレーバ氏は、「領土一体性の原則は侵害してはならない。(中略)もし私たちが政治的目的や侵略者への共感を口実にして力による国境の変更を許してしまったら、世界は混沌に沈んでしまう。世界の支持により、ウクライナは自らの領土一体性と国連憲章への尊重を回復することができる。そして、そうするだろう。それは、ロシアやその他の侵略者から、他国に攻め込む意欲を奪うことになる」と発言した。
同氏はまた、ちょうど1年前、国連総会ではロシアの全面的侵攻開始から数時間前にも、自身が各国に対して戦争を予防することを呼びかけたことを喚起した。
加えて同氏は、「1年後、ともあれ、ウクライナははるかの強力な敵から効果的に身を守っている中で、私はあなた方に呼びかける。これは、支持、一致、連帯を示す決定的な瞬間である。これは、あなたが国連憲章を支持していることを証明する瞬間である。言葉でも、行動でもだ」と発言した。
さらに同氏は、会場にはいまだに「ウクライナともロシアとも仲良くしたい」とか「どんな結果でも良いので早く終わって欲しい」と考えている者もいるとしつつ、「問題は、この戦争には2つの平等な当事者がいるわけではないのだ。いるのは、侵略者と犠牲者である。私は、様々な理由でウクライナの側に立ちたがらない国が複数あると理解している。しかし、話はそのことではない。これは、国連憲章の側に立つということであり、国際法の側に立つという話なのだ。これは私たちの共通のルールである。私たち皆が、それを支持することに関心を抱いている。自分にはルールは適用されておらず、ルールは違反するためだけに存在していると考えているロシア連邦を除いて」と発言した。
同氏は、悪に対する勝利を基盤とするのではなく、善の力が戦うことを止めることの上に築かれる平和の達成の問題を警告した。
なお、ウクライナは、ロシアの全面侵略が1年経過しようとする中、パートナー国ととともに国連総会での関連決議の採択を目指している。加盟国に配布された同決議案では、平和の確立の必要性を強調されるとともに、その平和はウクライナの主権、独立、領土一体性を保障するものでなければならないと主張されている。