ジッダ和平協議でロシア撤退に関する譲歩は行われていない=ウクライナ大統領府

ジッダ和平協議でロシア撤退に関する譲歩は行われていない=ウクライナ大統領府

ウクルインフォルム
ウクライナのジョウクヴァ大統領府副長官は、5、6日のサウジアラビア・ジッダで開催された、ウクライナ和平に関する国家安全保障補佐官・外務省政治局長級協議にて、あたかもウクライナ側が、自らの提案する「平和の公式」の1項目であり、和平の必要条件であるロシア軍のウクライナ領からの撤退につき、譲歩したかのように伝える報道を否定した。

ジョウクヴァ副長官がキーウでの記者会見時に5、6日のジッダ和平協議の結果にコメントする形で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ジョウクヴァ氏は、「『平和の公式』の最も重要な項目の1つである軍の撤退の必要性については、非常に明確に、ウクライナ代表団団長(編集注:イェルマーク大統領府長官顧問)の演説の時以外にも、話された」と発言した。

ウクライナが「平和の公式」を修正する可能性に関しては、「戦術の修正はあっても、戦略の修正はない」とコメントした。

イェルマーク大統領府長官もまた、同記者会見時に、ロシア軍のウクライナからの撤退なくして、「平和の公式」の実現は不可能だと強調した。

これに先立ち、5、6日、サウジアラビアのジッダにて、ウクライナのための平和原則について協議する約40か国が参加した国家安全保障補佐官・外務省政治局長会合が開催されていた。

その後、米ウォール・ストリートジャーナルなどが、欧州関係者の発言を元に、ウクライナがロシア軍の撤退要求を強く主張しなかった、などと報じていた。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、同会合後、最も困難な問題は、戦争の終結のためにロシアがウクライナ領を去らねばならない、ということを全ての国が理解しているわけではないことだと発言していた

ウクライナのジョウクヴァ大統領府副長官は、会合前に、ウクライナの提案する10項目からなる和平案「平和の公式」の各項目を実現する国を決めていくつもりだと発言していた

なお、「平和の公式」とは、ロシア・ウクライナ戦争の平和を確保するために実現が必要な、(1)核の安全、(2)食糧安全保障、(3)エネルギー安全保障、(4)全ての被拘束者と追放された人の解放、(5)国連憲章の履行とウクライナの領土一体性と世界の秩序の回復、(6)ロシア軍の撤退と戦闘の停止、(7)正義の回復、(8)環境破壊行為対策、(9)エスカレーションの防止、(10)戦争終結の確認、の10項目からなるウクライナが提案している和平案のこと。同案は、ゼレンシキー宇大統領が、2022年11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に提案したもの。

写真:大統領府


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