欧州、トランプ氏がウクライナをロシアとの協議に無理矢理向かわせることはないと楽観視＝報道

ブルームバーグが欧州諸国の関係者の発言をもとに報じた。

関係者は、そのような認識をトランプ米次期大統領チームのメンバーとの複数のプライベートなやりとりの後に抱いたという。やりとりの際に大西洋をまたいだパートナーたちは、ウクライナ支援の継続の必要性を強調したという。

また関係者たちは、その意見交換により、米次期政権が（ロシアとの）どのような交渉の前にも、戦争で苦しんでいるウクライナが強い立場を取り戻せるように支援する可能性があると考えるだけの根拠があると訴えている。

同時に、そのプライベートなやりとりの出席者たちは、米次期大統領はアドバイスを拒否したり、最後の瞬間に決定をひっくり返すという評判を持つ人間であり、彼が何をするかはわからないとも警告した。

また関係者たちは、トランプ氏の幹部はおそらく２つの論拠を受け入れたと述べる。その１つは、もし新しい米国大統領がウクライナを断念したら、彼はバイデン米現大統領がアフガニスタンからの米国軍の混沌とした撤退と比べられるような屈辱を受けるリスクがあるというもの。２つ目は、ロシアに勝利を達成することを許してしまえば、それは中国を攻撃的な攻撃に向かわせるだけだというものだという。

ブルームバーグは、トランプ氏の大統領就任まで１週間という中でも、彼がロシア・ウクライナ戦争問題においてどのように行動するかわからないままだと指摘している。

欧州とウクライナの政権幹部は、トランプ氏のチームにはいくつかのアイデアがあるが、しかしながら、ウクライナにとっては、１月２０日の州認識後に実現可能な計画は１つもないと述べている。

また、トランプ氏が戦争を迅速に終わらせるという約束を履行して、もしかしたら、「ウクライナを脇に置いて」、ロシアの独裁者プーチン氏を強める合意を結ぶという最悪のシナリオに向けて準備をしてきた欧州の首都では、前述のやりとりは、慎重な安堵感をもたらしているという。同時に関係者は、トランプ氏はウクライナの運命のことをあまり応援しておらず、米国の国益におけるロシア・ウクライナ戦争の戦略的意味を認めていないと指摘している。

欧州諸国の首脳たちは、対露制裁強化や対ウクライナ軍事支援継続がロシアの経済的・軍事的損失をもたらし、ウクライナとの協議のための余地を作り出すことを期待しているという。

写真：Andrew Harnik/Getty Images