ロシアはすでに私たちと戦っている 彼らのミサイルや無人機は私たちの国境を越えている=EU特別代表
カラス外務・安全保障政策担当上級代表がブリュッセルでのEU外交官の年次会議における演説で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
カラス氏は、「私たち皆が、ロシアの意向がどのようなものかを理解することが非常に重要だ。ウクライナは私たちの共通の高度な優先課題でなければならない。なぜなら、プーチンはウクライナ全体を欲しがっているからであり、それは彼が達成すべきことではないからだ」と強調した。
同氏はまた、プーチンが気にしているのは、北大西洋条約機構(NATO)からの仮想の脅威では全くないとし、その証拠に、ロシアはNATO加盟国との国境から部隊を撤退させ、対ウクライナ戦争へその部隊を使っていると指摘した。そして同氏は、プーチンがより気にかけているのは、民主主義とEUが支持している価値の普及だと説明した。
さらに同氏は、「問題は、ロシアがすでに私たちに対して、私たちの国境から数百キロメートルのところで戦っていることだ。彼らのミサイルと無人機はすでに私たちの国境を越えている。私たちは、この戦争を終わらせる支援をせねばならない。しかし、永続的な平和が生じ、それがウクライナにふさわしい手段で生じるように、私たちは、クレムリンが自らの目的を変えるよう圧力をかけねばならない」と発言した。
また同氏は、ロシアが理解する唯一の言語は、「力の言語」だと指摘した。その点で、同氏は、米国が「力による平和」を達成しようとしていることを歓迎した。加えて同氏は、欧州は、その目的で経済力やロシアよりはるかに高い能力を持っているとし、英国、米国、カナダのような重要な同盟国と一緒に行動すると、欧州はより強くなるとし、EUとパートナー国のGDPを合わせると、ロシアのそれより25倍以上となると指摘した。その際同氏は、欧州が今必要としているのは政治的意志だと強調した。
同氏は、「私たち皆がロシアに関してより強くなり、ロシアに『戦争マシン』を燃料を投入することを可能にしている者に制裁を科し、直接国家予算を支えている石油や天然ガスからロシアが収入を得るのを防がなければならない。私たちの制裁は機能している。ロシアの経済は苦しんでいる。私たちは、この圧力を今下げてはならない」と発言した。
その他同氏は、EUはウクライナ支援においても強くあるべきだと述べた。その際同氏は、現在EUはウクライナにとっての最大のドナーであり、同国に総額1340億ユーロ以上の支援を提供しており、その内約500億ユーロは軍事支援だと指摘した。
そして同氏は、「私たちは、より多くのことをせねばならない。意志があれば、道は開ける。私は、これまで一度も行われたことがない、という主張は受け入れない。私は、私たちがウクライナのためにさらなる財政的決定を見つけることを望んでいる。ウクライナは非常に勇敢に戦っており、私たちの支援も常に同じようであるべきだ。ロシアは私たち皆にとっての存亡のかかる脅威である。よって、私は、『私たちはできない』ということは聞きたくない。私は、私たちができることについて協議して、そう行動したい。私たちは、創造的な決定の建築者であるべきだ」と強調した。
写真:EU