「国家主権に関する譲歩はあり得ない」 ゼレンシキー宇大統領のインタビュー発言まとめ

「国家主権に関する譲歩はあり得ない」 ゼレンシキー宇大統領のインタビュー発言まとめ

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ウクライナのゼレンシキー大統領は、ウクライナが被占領地をロシア領と認めることはできないとし、国家主権に関する譲歩はあり得ないと発言した。

ゼレンシキー大統領が英記者ピアズ・モーガン氏へのインタビュー時に発言した

ゼレンシキー氏の同インタビューにおける主要な発言は以下のとおり。

「私たちは少し疲れているが、しかし、自らの存在と自らの命を巡って戦うだけの十分なエネルギーはある。私たちのリソースは、当然ながら、ウクライナにおける公正で強固な平和を確立するだけはある。」

「私たちは開戦時よりも良い状況にあるが、しかし、プーチンに対してだけ戦っているのではなく、私たちの同盟国の支援を巡っても闘っている。ロシアのウクライナに対する巨大な偽情報とも戦っているし、それはもしかしたら全面戦争開始から最も深刻な水準かもしれない。私たちは、欧州における私たちの同盟国の強力な同盟を巡って闘っている。なぜなら、ロシアはいくつかの国を、さらにはいくつかの私たちの隣国のことも不安定化しているからだ。また、私たちは米国と欧州の間の同盟を巡っても闘っている。」

「供給は去年同様行われているし、それが私たちに自分たちの軍を維持する機会を与えている。現時点で、私たちはウクライナにおいてより多くの武器を生産し始めており、そのため2025年は約40%の武器が国産となる。」

「支援なくして、あるいは、緩慢な支援では、私たちは領土の一部を失うかもしれない。米国によるウクライナの防衛能力と安全保障の強化への貢献は現時点で約30%を占める。もし米国の支援が止まれば、すぐにそれは欧州の首脳にも影響を及ぼすし、その時私たちは欧州の国々の供給の停止のリスクにも左右させられることになる。私は、トランプ大統領がそのような行動はとらないと信じている。」

「約35万のロシア軍人が死亡した。多くの行方不明者がいる。5万から7万だ。約60〜70万が負傷した。ロシアの(編集注:死者と)負傷者の比率は1対2だ。なぜなら、彼らの医療は私たちのものより脆弱だからだ。ウクライナの損耗(戦死者)は4万5100人で、負傷者は約39万人である。」

「(編集注:全面)戦争の前、私たちはプーチンと複数回の電話会談を行ったが、その後彼は1年以上消えた。そして、その消失の後に全面侵攻が始まったのだ。私は、彼と話して、会談の機会を得て、戦争終結について、戦闘停止の対話を行うことを非常に望んでいた。彼の報道官はこう言った。『話すことは何もない。私たちは会談の理由がわからない』と。彼らは常にウクライナを破滅させたがっていた。今彼らは、戦争を止めないための理由を探している。」

「私は彼ら(編集注:プーチンとその周辺人物)にとって間違いなく都合が悪い人物だ。なぜなら、彼らがここで必要としているのは、操り人形だからだ。彼らは、自分側の人物がウクライナを統治することを欲している。彼らは、ウクライナが欧州の道を決して選択しないよう、ロシアの支配下に留まるように、ウクライナの議会に大きな会派を抱き、ウクライナに影響力を行使してきた。彼らは同様のことをジョージアで行った。最初は凍結した紛争を通じて、その後は国家の統治のために自分側の人々を据えたのだ。かららはそれをベラルーシでも行った。そこにはルカシェンコがおり、独立はない。」

「私の正統性に関しては、私は国の人口の73%によって選出されている。そして、どのような選挙に対しても常にオープンである。戦時下に選挙はあり得ない。戒厳令が終われば、その時選挙が定められることになる。私たちが今戒厳令を解くと、それはプーチンの望むがままである。それは、私たちの軍の大半が家に帰ることを意味する。その場合、誰が国を守るのだ?」

「私たちは被占領地をロシア領と認めることはできない。私たちにとって国家主権に関する譲歩はあり得ない。残念ながら、パートナーたちが提供する支援は、私たちの領土からプーチンを完全に追い出すには不十分だ。もし私たちのパートナーたちがプーチンに圧力をかけるのを手助けするなら、私たちはその領土を取り戻せるだろう。」

「ウクライナには戦争の動的局面を終わらせる準備がある。プーチンは殺人者であり犯罪者である。それは事実だ。人々が、私たちが外交的局面に移行しなければならないと信じているとして、交渉の席には、米国、欧州、ウクライナ、ロシアが着かなければならないし、私たちはプーチンと話すことになる。プーチンとの対話ですら、それはもう譲歩だ。ギャングとの対話は、文明世界全体の譲歩なのだ。」

「私たちは、トランプ大統領がこの状況における成功達成を望んでいると信じているし、その際の成功とは、常識の勝利だ。私たちはウクライナや欧州、全世界にとってのリスクのない形で状況を安定化させねばならない。」

「もし対露制裁が解除されたら、それは再侵攻のリスクを拡大させる。」

「外交に移行するための最速の手段は、ウクライナのNATO加盟を今日保証することだと思う。NATOは、私たちにとっては、プーチンが占領を始めないことの保証であり、NATOにとっては、数十万の軍人を抱えるウクライナの部隊がNATOを強化するという保証でもある。NATOは、ロシア人にとっては、ウクライナが全ての問題を外交的手段で解決していくことの保証である。」

「私たちは、ウクライナを、私たちの破壊された文化遺産を復興したい。私たちは、軍事技術だけでなく、人道、医療、文化、スポーツに関わる多くの他のことに関して、国家を発展させたい。それら全てのことに資金が必要だ。だからこそ私は、NATOが最も安価な選択肢だと思っているのだ。」

「ウクライナに駐留するかもしれない部隊は、ロシアに対する抑止要因となるかもしれないが、しかし、それら全てはNATOへの道筋においてこそ素晴らしいことである。もし私たちがNATOに明日加盟するのでなければ、それがいつ実現するのかについての理解が必要だ。」

「もしNATO加盟のプロセスが、数年、10年と長引くなら、その時はウクライナが、その間ずっと何がウクライナをその悪から守るのか、どのような支援があるのか、どのような武器を得られるのか、といった質問を提示することは全くもって公正だ。その際、ロシアを抑止し、ウクライナの人々が平穏を感じられるように、パートナー国はウクライナに十分な数のミサイルを提供し、核兵器すらも返還し、100万の軍への資金面の支援をすべきだ。」

「仮にウクライナに核兵器があったら、プーチンは2022年に侵攻しなかったであろう。私たちの核兵器は、『無』と交換されたのだ。それは、ウクライナが核兵器を放棄することについての、ロシアと米国の間の合意だったのだ。」

「ウクライナには、米国から770億ドルが入ってきている。内460億ドルが軍事支援、315億ドルが予算面の支援だ。米国は、難民にも50〜60億ドルの大きな支援を提供した。米国で話されている資金の一部は、米国での生産への支援に向けられていたものだ。」

「ロシアはもはや米国にとっての危険な対抗者ではない。私たちは、彼らの人員、経験ある軍人を滅ぼした。」

「プーチンの勝利は、米国と欧州全体が第三次世界大戦へと引き込まれることを意味しかねない。」

「トランプ大統領は私を就任式に招待したが、それは最も普通の形でだった。おそらく、他の首脳の招待と同様の形でだ。席に着いて、どのように戦争を終わらせるかについて話すための時間が必要だ。トランプ氏には(編集注:就任式の日)、対面での会談のための時間はなかったであろう。」

「(編集注:ウクライナの)教会評議会は、モスクワ聖庁系(のウクライナ正教会)を除外した。法のレベル、つまり議会で、モスクワ聖庁系は法的根拠に基づいて再登録しなければならないという決定が採択された。モスクワとの法的繋がりはいかなるものもあってはならない。」

「プーチンは、血塗られた独裁者であり、殺人者であるし、殺された(民間)人の大半はロシア語話者だった。」

「メドヴェチューク氏は常に反ウクライナ、反『ウクライナの独立』、反欧州、反NATOであったし、プーチンからの全てのロシアの発言は、メドヴェチュークを通じて入ってきていた。彼の親露政党はロシアの石油と天然ガスから収入を得ていた。(編集注:全面)戦争が始まった時、プーチンはその政党から自らの最後通牒を伝えていたし、メドヴェチュークと彼の同僚は、ウクライナがプーチンに対して譲歩することを要求した。彼は保安庁(SBU)によって逮捕され、その後200人のウクライナ軍人と交換された。」

「タッカー・カールソンは、ウクライナで何が起こっているかをより深く理解すべきだし、プーチンのために働くこと、彼の尻に接吻することを止めるべきである。」

「(2001年)9月11日、米国に対する攻撃が生じ、何千もの人が亡くなった時、米国民はテロリストに対して攻撃し、彼らを然るべき場所に据えた。命令を出した者を倒した。ウクライナは、クルスク州に攻撃し、ロシアは1万2000人の北朝鮮部隊をそこに展開した。私たちはその内4000人を殲滅した。」

「現在、(ロシアとの)合意の条件、彼らの力は、トランプ大統領と私たちの対話とプーチンへの圧力にかかっている。私たちがそれを早く行えば行うほど、世界中の人々はより幸せになるだろう。」

写真:大統領府

修正(7日21:23):尻を舐める→尻に接吻する


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