コンスタンティノープル総主教庁、ウクライナに関するロシア正教会の脅しに返答
大司教は、「正教会の歴史を、伝説や偽の歴史ではなく、文書から学べば、今日の全ての(正教会の)独立はコンスタンティノープル総主教庁による宣言されていることがわかります」と強調した。
また、大司教は、「ロシアの正教会の歴史を見ますと、ロシア正教会は、モスクワでイオナを府主教に独自に選出した1448年に自分で独立を宣言しています。これは、コンスタンティノープル総主教庁の許可を得ていませんでした。強調すべきですが、ロシアの正教会には独立のトモスが与えられていなかったのです!1589~1590年、イェレミアス2世コンスタンティノープル総主教が、この正教会を総主教庁にまで引き上げることで事態の正常化を行い、その際、モスクワ主教に総主教を『名乗る』ことを認めたのです。ただし、それは、コンスタンティノープル総主教に敬意を払い、文書にあるように彼を『自らの上位、そして最上位』とみなすことが条件でした」と指摘した。
ヨブ大司教は、正教会の歴史上、コンスタンティノープル総主教庁以外に、独自に独立を宣言した教会は他になかったと強調した。
大司教は、「ロシア正教会は、自らがジョージア(1943年)、チェコスロバキア(1951年)、アメリカ(1970年)の正教会の独立を宣言したと主張するかもしれませんが、しかし、これらの独立は、正教会界からは完全に認められていませんでした。なぜなら、ロシア正教会は、そのような権限は持っていないからです。ですから、この3つの教会は、自らコンスタンティノープル総主教庁に独立のトモスの付与を請願したのです。そして、コンスタンティノープル総主教庁は、ジョージア(1990年)、チェコとスロバキア(1998年)の正教会の独立を宣言することで事態を正常化したのです」と発言した。
そして、大司教は、モスクワ総主教庁がコンスタンティノープルとの対話を断絶する、そして、正教会界とカトリック界の分裂の再来となると脅していることについては、無意味であると指摘し、「分裂やウクライナ正教会の独立については、これが神学問題でないことは皆が知っており、誰かを異端として断罪する必要はありません。ですから、脅しは、悪用です」と強調した。