社会学者連合、マスメディアに「フェイク調査」を拡散しないように呼びかけ
1日、ウクルインフォルムで開催された討論会「社会学と選挙:社会調査は賢い選択のためか、世論操作のためか?」において発表された社会学者連合の呼びかけに書かれている。
呼びかけ文には、「私たちは、マスメディアと通信社に対し、社会調査の結果公開の要件を一貫して満たし(誰が、いつ、いくつ質問したか、どのような質問方法で行ったか、回答者はいかなる集団を代表するか、理論的誤差はいくらか、質問は正確に作られているか)、また、情報元の信頼性を確認するよう呼びかける。世論調査の結果を発表する企業の専門性の確認は、情報を伝える側にとっての課題であり、情報を受け取る側・読む側の課題ではない。世論調査の結果を発表する企業が、専門的コミュニティの一員でなく、社会学者が構成員の中におらず、自らのウェブサイトに調査実施手法の詳細な情報を公開しておらず、社会調査実施の経験がなく、調査実施に関する追加的情報を提供し得ないのであれば、そのデータの質と信頼度は疑問を呼び起こすものである」と書かれている。
呼びかけには、選挙を前に、マスメディアやインターネット上に多くの偽の、あるいは、専門性のない調査データが公開されており、誰も知らない、あるいはほとんど知られていない「センター」が調査手段の提示のないままに公開した調査データをマスメディアが報じてしまっている事例が起きていることへの懸念が表明されている。
加えて、政治家や政治コンサルタント、ジャーナリスト等が、世論調査結果における政治家の支持率を公開しつつ、その支持率が彼らにとって「都合が悪い」場合に、著名な社会調査機関に対して、「買収された」などと批判する場合があることが指摘された。社会学者連合は、「このようなずるい手段での政治的闘争は、有権者を混乱させ、科学としての社会学一般への信頼を失わせることになる」として警告している。その上で、社会学者連合は、これら社会調査機関は、ウクライナの専門的コミュニティや国際機関の一員であり、結果を操作しようのないルールにしたがって調査していると強調した。