フィラレート・ウクライナ正教会名誉総主教、キーウ聖庁復活を希望していることを認める
15日、フィラレート名誉総主教が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
同名誉総主教は、「もし、ウクライナの教会が総主教庁のステータスをあきらめたら、それは、ウクライナにはモスクワ総主教庁だけがあることを意味してしまう。そして、キリル・モスクワ総主教の名前がウクライナ全土で響くことになる。キーウ総主教の名前は聞かれなくなる。私たちは、自分たちでウクライナにおけるキーウ聖庁総主教の栄光を解体してしまうことになるのだ」と発言した。
フィラレート名誉総主教は、記者会見時、キーウ聖庁復活の希望を有していることを認めた。
同名誉総主教は、「独立ウクライナにモスクワ総主教庁があり、モスクワ総主教の名がウクライナ全土で聞かれ、スヴャトスラウ・ギリシャ・カトリック首位大司教が称えられる中、キーウ総主教はいないということになる。これは賢いことであろうか。30年間キーウ総主教庁の創設のために闘ってきて、今それをあきらめたがっているのだ」と発言した。
フィラレート名誉総主教はまた、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教についての不満も表明した。同名誉総主教は、「もし後にどうなるかがわかっていたら、エピファニー氏を(首座主教の)候補に推薦はしなかったであろう。私は彼を信頼していたし、彼がまともな道を進むのだと思っていた」と発言した。
同名誉総主教は、自身の助けがなければ、エピファニー氏が首座主教になることはできなかったであろうとの考えを示した。
また、同名誉総主教は、エピファニー首座主教が自身との対話を避けていると指摘し、「現在、彼は私と対話していない。例外は数回だけだ。彼は、外では私に敬意を抱いていると話すが、しかし実際には、それは言葉だけで、行動は反対のことを示している」と発言した。
同名誉総主教は、エピファニー首座主教が教会内部の事柄につき自身の手助けを拒否しており、決定採択の際も同名誉総主教との調整を行っていないと述べた。
なお、現在のウクライナ正教会は、2018年12月15日、キーウにおける統一会議にて創設されている。同会議には、当時のウクライナ正教会キーウ聖庁、自治独立派、またモスクワ聖庁から主教2名が参加していた。
新たに創設されたウクライナ正教会の首座主教に選ばれたのは、当時のキーウ聖庁の主教であるエピファニー氏であった。この選出を受けて、2019年1月6日、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル全地総主教がイスタンブルにて、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教へと、同正教会の独立に関する文書「トモス」を授与した。この創設・独立により、ウクライナ正教会キーウ聖庁と自治独立派は、自己解体している。