【写真・動画】LGBT+の市民による「キーウ・プライド」開催
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
「キーウ・プライド」の一環で、同日の午前10時から「平等の行進」が行われた。
キーウ・プライドの運営者は、フェイスブック上にて、同日の行進への参加者数を8000人強と発表した。一方、セルヒー・ヤロヴィー内務第一次官は、記者会見で同参加者数を約3000人と述べた。
行進は、多くの警察(騎馬警察含む)、国家警護隊が周辺の警備にあたった。
また、同日、同性婚に反対する「右派セクター」、「ウクライナ民族主義組織」、「家族と子供を守る全ウクライナの盾」等の代表者約150名がタラス・シェウチェンコ公園にて周回を開催し、「同性愛プロパガンダは、国家安全保障に対する脅威だ」等と書かれたプラカートを掲げた。
行進が始まった直後、反対者の一人が行進に対して攻撃をしかけたことから、小競り合いが生じたが、警察が攻撃した人物を取り押さえた。同日、国家警察は、同日の行進に対して挑発行為を計画していた人物を9名拘束したと発表した。
ウクライナ大統領府は、フェイスブック・アカウントにて、同日の行進開催に際してコメントを発出した。
コメントには、「大統領は、人権と自由の保証者である。ウクライナ憲法には、国民は平等な憲法上の権利と自由を有し、法の下に平等であると定めており、皮膚の色、性、民族、言語等によって特権や制限が与えられてはならない。一人一人の国民が、自らを安全に感じねばならず、暴力を受けることがあってはならない」と書かれている。
さらに、大統領府は、「国家警察は、平等の行進が行われる日に、全てのウクライナ人の安全を保証し、行進の支持者と反対者の間に対立が起こらないようにせねばならない」と強調した。
また、今年のキーウ・プライドには、約30名のウクライナ軍軍人が行進に参加した。軍人が平等の行進に参加したのは、初めてのこと。フロマツィケTVが報じた。
参加した国軍ドンバス大隊の志願兵ヴィクトル・ピリペンコ氏は、記者に対して「彼らは、全ての人々の平等を支持するために参加した」と発言した。記者が、軍の中でゲイであるとどのような状況か、と尋ねると、ピリペンコ氏は、「快適ではない。なぜなら、軍にはホモフォビア(同性愛嫌悪)の人々が多いからだ」と答えた。
ピリペンコ氏は、「正にホモフォビアの人々によって、特に、ホモフォビアの指揮官によって、人々はカミングアウトできずにいるのだ。彼らも皆と同じように生活しているのだが、残念ながら、そのことを隠している。それは非常に残念である。なぜなら、彼らは人々の運命のため、私たちの権利のために戦闘に参加しているのだから」と発言した。
また、ピリペンコ氏は、ソーシャルメディア上では、ピリペンコ氏のことを「ホモ野郎」などとののしりながら、自らをナショナリストと名乗る者たちがいるが、自分たちは戦争に赴いたが、彼らは戦争に参加していないのだと指摘した。
同日の行進が終わると、キーウ・プライドの運営者は、今年は一人の被害者も出さずに行進を終えることができたと発表した。