ゼレンシキー宇大統領、負傷住民のお見舞いに病院訪問
ウクライナ大統領府広報室が公表した。
ゼレンシキー氏は、病院にて、キーウ州ヴォルゼリ市からの避難中にロシア軍の攻撃を受けたウラセンコさん一家をお見舞いに訪れた。
大統領府によれば、ウラセンコさん一家は、2014年のロシアによるクリミア半島占領開始後、ロシア国籍を取得したくなかったために、キーウ州へ移住してきたという。
2022年2月にロシアがウクライナに対して全面的侵攻を開始して以降、同家族はヴォルゼリからより安全な場所へ避難することを決めたが、移動中の車両がロシア軍の攻撃を受けたという。その際、16歳の長女カーチャさんは、8歳の弟のイーホルさんを体で覆ってかばい、その際に大きな怪我を負った。イーホルさんは、体から血が流れ出る姉カーチャさんの姿を見ると、車から這い出して、ロシア兵に対して、何をしているのか、と全力で叫んだという。
その際、母テチャーナさんも負傷。父ロマンさんは、怪我したカーチャさんを腕に抱え、治療のために家に戻ったという。
大統領府は、母娘の治療は今後数か月かかるものの、家族は生き延びることができたと伝えている。
ゼレンシキー大統領は、ウラセンコさん一家との面会時、家族の団結、気遣い、互いに最後まで守り会おうとする気持ちが命を救ったのだと述べ、家族の早期回復を祈願した上で、もうすぐ皆で一緒にウクライナの勝利を祝えることになるとの確信を表明した。
ゼレンシキー氏は、「それ以外はあり得ない。私たちの国には、こんなに強い家族がいるのだから」と発言した。
写真:大統領府
ゼレンシキー氏は、ウラセンコさん一家に、勉強のためのタブレットPC、花束、お菓子や果物をプレゼントした。
8歳のイーホルさんには、ゼレンシキー氏は、ぬいぐるみをプレゼントした。ウラセンコ家族の家の庭に砲弾が着弾した際、イーホルさんのぬいぐるみが破片を浴びたからだという。
病院では、ゼレンシキー氏は、キーウ州の治療を受けているその他の住民や、領土防衛部隊に参加する兵士、同州イルピン市にて殺害された米国人記者ブレント・ルノー氏の運転手をしていた人物と面会した。
これに先立ち、13日、キーウ州イルピン市にて、ロシア軍人が米ニューヨークタイムズ紙の51歳の記者ブレント・ルノー氏を銃撃し殺害していた。
ウクライナでは、2月24日から、ロシア軍による侵略戦争が続いている。