「マリウポリに注意をむけることは、失格より大切なことだった」=欧州音楽祭優勝のウクライナ代表
15日、カールシュ・オーケストラのプシュク氏が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
プシュク氏は、「人々は、私の国がどれだけ大きな苦しみを経験しているのか、理解していない。私にとっては、そのことにつき述べることは、失格よりも間違いなく大切なことだった。あのようなチャンスを逃していたら、私は自分を許せなかっただろう。私は、それを見かけた2億人の人たちの内の誰かが、私たちを助けてくれることを強く期待している」と発言した。
同氏はまた、各国の記者に対して、マリウポリの困難な状況につき説明した。「私たちの人々が封鎖されている。ほぼ1000人の軍人がそこにいる。彼らはあらゆる方向から包囲されており、彼らは(製鉄工場)アゾフスタリから出られないでいる。私たちには助けが必要なのだ。私たちは、第3国に彼らを脱出させるための介入をお願いしている。どうやったら支援できるだろうか? 情報面で支援できる。皆が話し、書き、あなた方の国の政権のドアを叩かねばならない。ここには多くの記者がいる。もしあなた方の一人一人がそのことについて書けば、それはきっと私たちの助けとなる」と呼びかけた。
ユーロヴィジョンの際に、カールシュ・オーケストラが観客から439点という大きな得点を得たことについては、プシュク氏は、それはユーロヴィジョンの歴史において圧倒的な記録となり、それが自分たちを勝利に導いたとし、「とても感動した」と述べた。
「私は、ウクライナ人、ディアスポラの皆、ユーロヴィジョンでウクライナに投票してくれた全ての国の人たちに感謝したい。今年は、ウクライナにとってとても大切な年であり、どんな勝利も非常に重要だ。ウクライナが現在どれだけあらゆるサポートを必要としているかわかるだろう」と述べ、ウクライナには良いニュースが必要なのだと強調した。
同氏はまた、世界の人々に対して、ウクライナの音楽を聞き、ウクライナの映画を見て、ウクライナを訪れて欲しいとし、ウクライナにはたくさんの才能のある人がいると伝えた。さらに、「私たちの文化もまた現在脅威にさらされている。ウクライナの文化が生きていること、存在していること、ウクライナの音楽が生きていること、それが非常に面白く、非常に美しいスタイルを有していること。そのことを示すために私たちはここにいる。私たちの目標は、ウクライナの音楽がウクライナでだけでなく、世界中に広まるようにすることであり、ユーロヴィジョンはそのための良いプラットフォームなのだ」と強調した。プシュク氏はまた、人々に対して、来年のウクライナでのユーロヴィジョン開催につき、「一体で、復興した幸せなウクライナへ」招待すると述べた。
これに先立ち、14日にイタリア・トリノで『ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2022』決勝が開催され、ウクライナ代表の民族ラップ・グループ「カールシュ・オーケストラ」が優勝していた。
カールシュ・オーケストラは、合計631点を獲得した。2位は、英国は466点、3位はスペインの459点だった。
また、ボーカルのオレフ・プシュクさんは演奏が終わると、ステージ上から「ウクライナを助けて! マリウポリを助けて! アゾフスタリ(編集注:マリウポリのウクライナ側が防衛の拠点とする製鉄工場)を助けて! 今すぐに!」と呼びかけていた。