82%のウクライナ人、領土面の譲歩を受け入れず
キーウ(キエフ)国際社会学研究所が5月13〜18日に実施した世論調査の結果を発表した。
キーウ国際社会学研究所はまず、最近ニューヨークタイムズ紙に社説が掲載されたことを喚起し、そこに、ウクライナに対する「領土面の譲歩」のような呼びかけが行われていたと指摘した。加えて、同研究所の研究員たちは、今回の全面的侵略の始まる前の数か月間、西側の報道機関代表者と話をしてきたが、その際に、彼らの間で世論調査の結果が全く考慮されていない、ウクライナ人の反応についてのしばしばかなり深刻な誤解が観察されていたと指摘した。研究所は、例として「キーウは3日で陥落する」といったような、西側「専門家」の「専門的分析」の問題を指摘している。
その上で、研究所は今回、平和を達成する上での領土面での譲歩への準備についての設問で世論調査を行ったとし、その結果、82%の回答者が、たとえ戦争がさらに長く続き、ウクライナの独立維持に脅威が生じるのだとしても、領土面での譲歩は一切受け入れられないと答えたと発表した。
そして、10%のみが、平和達成、独立維持のためなら、いくらかの領土を断念することは可能だと回答。8%が「回答困難」と回答した。
また、地域差はあまり出ておらず、東部でのみ、「譲歩は受け入れられない」との回答が若干少なく68%(譲歩の準備ありの回答が19%)。その他の地域では、「受け入れられない」との回答は西部84%、中部85%、南部83%であった。
現在被占領下で暮らしている回答者の間では、77%が「譲歩は受け入れられない」と回答(譲歩の準備ありの回答は18%)。同時に、2月24日以降に、現在被占領下にある領土から避難した回答者の間では、「譲歩は受け入れられない」との回答は82%、「譲歩の準備あり」の回答は5%であった。
今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所がCATI方式(computer-assisted telephone interviews)で5月13〜18日に2月24日時点までにウクライナ政府管理地域(その時点でまでに被占領下であったクリミア、セヴァストーポリ、ドンバス一部地域を除く)に居住していた18歳以上の人物2000名に質問したもの。理論的誤差は、最大±2.4%だと発表された。