ロシアに占領下のウクライナ南部・東部でも「始業式」 ロシア兵が持ち物検査
ヘルソン州行政府がフェイスブック・アカウントで伝えた。
発表には、「占領者は、ヘルソン州の制圧した学校にて、教育課程を開始した。目撃者の証言によれば、最初の授業から子供たちに対して、ロシアのプロパガンダと偽歴史による洗脳が始められたという」と書かれている。他方で、ロシアの教育カリキュラムで勉強をしたがっている者は多くないという。
また行政府は、学校には、ロシア親衛隊隊員と武装した警備員が駐留していると伝えた。
ヘルソン州の地元ニュースサイト「橋」は、ヘルソン市内は、銃を持った占領者のいる中で9月1日が迎えられたとし、占領者たちは学校敷地内に入る人々の持ち物検査を行っていたと報じた。
ヘルソン市議会のルホヴァ議長代行は、ウクルインフォルムの記者に対して、ヘルソン市にてロシア占領者との協力を決めた学校の校長は3名、幼稚園の園長は10名だと伝えた。
ルホヴァ氏は、「ヘルソン市には教育機関が171ある。今日の時点で、私たちのところでは、学校の校長3名が(ロシア占領者との)協力を決めた。しかし、それは教育機関の教員全員のことではない。教師たちは、校長が対敵協力を決めた学校でも抵抗している。また、幼稚園では、10名の園長が(ロシア占領者との)協力に同意した。しかし、ここでも、先生たちの中には、絶対に占領者と協力することには同意しないという者がいる」と発言した。
同氏はまた、占領者と協力をしない教師がいることから、占領者の間では教師が大きく不足していると伝え、「例えば、1人の校長が3校、第7、第36、第32を率いることになっているのだ」とも説明した。
ウクライナの学校での教育について、同氏は、全ての問題につき児童の親と協議し合意していると発言した。現在、被占領地にいる子供たちについては、安全を考慮して、「家庭教育形態」に移行したと発言した。
遠隔教育形態(オンライン)は、占領地から政府管理地域へと脱出した者に対して提案されているとし、政府管理地域に移動した35人の校長がそのような教育形態を組織したという。
東部ドネツィク州のアンドリュシチェンコ・マリウポリ市長顧問は、テレグラム・チャンネルにて、マリウポリの第41学校では、窓の割れたままの校舎で始業が行われ、ロシア軍人が生徒たちのかばんの中身の検査を行っていたと伝えた。
アンドリュシチェンコ氏は、「第41学校の始業はこんな感じだ。校舎と入り口は、軍人が囲っている。入り口では、子供のリュックザック含め、全員が検査される。人はほとんどいない。修理もされていない。破られた窓はセロファンで覆われている」と書き込んだ。
また同氏は、マリウポリでは、当初16校が始業すると発表されていたが、実際に始業したのは5校(第5、第7、第26、第41、第65)だけであったと伝えた。その他の学校はオンライン教育に移行したという。
さらに同氏は、マリウポリ市の第65学校には、ロシア国家院のドミトリー・サプリン議員が拳銃を腰にさげたまま、学校を訪れたとして、写真を公開した。
東部ルハンシク州の州行政府は、フェイスブック・アカウントにて、同日、同州では、生徒の親が自腹でロシア国旗を購入させられ、子供たちはロシア国歌を聞かされたと報告した。
発表には、「ルハンシク州の被占領下の町々では、9月1日は『苦いノスタルジーの味のするお祝い』のようであった。古き良きソビエトの伝統で、親たちは自腹でいわゆる『ロシア』や『LPR』の三色旗を買わされた。『最近編入された領土』の学校では、特別な『素敵な1時間』が導入され、ロシアや傀儡たちの国歌の学習で洗脳が行われた」と書かれている。
また、ナチスドイツの伝統で、学校の図書館からはウクライナ後で書かれた図書が排除されたとし、それは小説だけでなく、教育関係の図書も排除されたという。
なお、9月1日、ウクライナでは学業年度が始まり、「知識の日」と呼ばれている。