ウクライナ政権関係者、被占領下クリミアにて親ウクライナ運動に対する「有罪判決」乱発を報告
27日、タシェヴァ常駐代表がウクラインシカ・プラウダ通信のコラムページに寄稿した。
タシェヴァ氏は、「3月と4月の半分だけで、占領裁判所には第20.3.3条(編集注:ロシア軍信頼失墜罪)にもとづく起訴が42軒あった。その内35件は、すでに違法な『判決』が出され、私たちの(ウクライナ)国民への罰金額が定められている。その違法な条項が存在する1年だけで、少なくとも352人のクリミア住民が訴えられた。しかし、そのような全くもって馬鹿げた判決が集中していることが示しているのは、占領者と対敵協力者たちが混乱を感じていることの証左である。彼らはそのような形で、占領する半島の住民を脅し、彼らの親ウクライナ的動きを抑えつけようといているのだ」と書き込んだ。
また同氏は、その「判決」のいくつかを紹介した。あるクリミアの大学生は、TikTokでウクライナ大統領を支持する言動をとり、青と黄のマニュキュアをしてウクライナの民族衣装ヴィシヴァンカを着て撮った動画を公開したことで、5万ルーブルと6万ルーブルの2つの罰金刑を言い渡されたという。また同学生は、その後親露ブロガーのタリポフに嫌がらせを受けたという。
別の女性は、インスタグラムにて、ウクライナ国歌を演奏する動画を公開。占領裁判所は、それを根拠に「ロシア軍の信頼失墜罪」を下したという。
さらに別の女性は、プーチン露大統領の写真に「くたばりますように」とのメッセージとともにソーシャルメディアに投稿し、それによって罰金刑だけでなく、看護師の仕事を失ったという。
また若い男性は、インスタグラムにウクライナ国旗を掲載したことで、同条項の罰金刑を言い渡されたという。
そしてタシェヴァ氏は、これら判決に関して、「占領者にとって、ウクライナの普通のシンボルですらも、もはや彼らの軍の信頼失墜行為なのだ。占領裁判所の決議・判決に添付されている『動機』文書によれば、ウクライナ軍が国旗を自らの軍服に用いているからだという」と指摘した。
これに先立ち、2022年10月、被占領下クリミアの占領「裁判所」は、ウクライナの人気楽曲「ああ、草原に赤いガマズミが(Ой у лузі червона калина)」の演奏により、「ミス・クリミア2022」の受賞者オリハ・ヴァリェイェヴァ氏とその友人に対して有罪判決を言い渡していた。
またクリミアでは同年9月にも、バフチサライ市の結婚式で『ああ、草原に赤いガマズミが』を使用したことから、「裁判所」により6名の市民が行政処罰を受けていた。
その他、被占領下シンフェローポリにて、ウクライナのバンド「カールシュ・オーケストラ」の楽曲「ステファニヤ」が結婚式で流される動画もオンラインで公開されていた。