ウクライナ正教会、修正ユリウス暦への移行を発表
ウクライナ正教会広報室がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
発表には、24日にエピファニー首座主教が議長を行ったウクライナ正教会の聖会議にて、暦問題に関する決議が確定され、それにより今年9月1日から修正ユリウス暦へと移行することが定められたという。同時に、希望する小教区や修道院には、旧暦を使用する権利があるとも伝えられた。
エピファニー首座主教は、「この決定は、私たちの教会の信者の大半、ウクライナ社会の大半が私たちから待っているものだ。この決定は簡単ではなく、私たちは、その決定に至るまで長い時間をかけ、徐々に、一歩一歩進み、それを均衡をとりながら行動している。しかし、それはかつて典礼にて伝統スラヴ語の代わりにウクライナ語を使用する決定が不可欠だったり、何世紀もの従属に代わり、教会の独立体制が不可欠だったりしたのと同様、これもまた不可欠なのだ。皆がそれらの決定を受け入れたわけではなく、皆がそれらを支持したわけではない。しかし、それらの決定は正しく、至極不可欠だったのだ。同様に、修正暦への以降の決定も私たちにとって正しく、至極不可欠であり、同暦は天文学的により正確で、教会的に受け入れられるもので、伝統的な復活祭計算(コンプトゥス)は維持される」と説明した。
教会は、今回の暦改革は長らく社会とウクライナ教会で議論されているものであり、以降支持者は年々増加していたと伝えた。
さらに、教会は、「この問題は、ロシア侵略の結果で新たな力を持った。現在、ユリウス暦(編集注:旧暦)はロシアの教会文化と結びついているものと捉えられている。よって現代的(修正ユリウス暦)は、私たちの独立教会を支持する教会(編集注:コンスタンティノープル全地総主教庁など)が使っており、反対に、対立者、特にロシア正教会は古い暦(ユリウス暦)を保持している。よって、ウクライナの自分の精神的アイデンティティの維持と確立、『ロシアの世界』の侵略からの保護が、私たちから、独立正教会の大半への合流と、修正ユリウス暦の適用という熟された決定を求めている」と伝えた。
これにより、2023年9月1日、ウクライナの大半のキリスト教徒は、新たな暦によって教会の祝日を祝うことになる。具体的には、生誕祭は1月7日ではなく、12月25日、聖ミコライの日は、12月19日ではなく、12月6日、神現祭は1月18日ではなく1月6日となる。他方、希望する小教区や修道院には、旧暦を使用することができる。
また同時に、復活祭のように、これまでと日付の変わらない祝日もある。
これに先立ち、今年の2月6日、ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会が、2023年9月1日から、新しい暦に移行すると発表していた。
その際、ウクライナ正教会(独立系)のゾリャー聖会議報道官は、ウクライナ正教会も暦の移行問題について、本年5月に検討を行うと発表していた。