ウクライナ正教会モスクワ聖庁がドイツ在住ウクライナ人に対するロシア影響ネットワークを構築している=カトリック教会首位大司教
スヴャトスラウ首位大司教がRBCウクライナへのインタビュー時に発言した。
スヴャトスラウ首位大司教は、モスクワ総主教庁(ロシア正教会)はあらゆるところで新しいディアスポラとなっているウクライナ人たちを自分の側に引き寄せようとしており、欧州の様々な国において、それは色々な形で感じられると指摘した。
そして同氏は、「しかし、私たちのウクライナ人コミュニティの代表者たちがそれについて直接話しているのは、ドイツだ。親露的なオリガルヒ(大富豪)がウクライナからそこへ逃げ出してきている。彼らはロシアの資金でそこにもう1つのウクライナ人コミュニティを作っており、そこへと、特にロシア語を使うウクライナ人を誘い込もうとしている」と発言した。
また同氏は、そのオリガルヒたちはウクライナのモスクワ教会(編集注:ウクライナ正教会モスクワ聖庁のこと)の聖職者たちを利用しようとしているとし、その聖職者たちは社会の中心地にやってきて、人々を誘い込むために宗教空間を作っていると指摘した。加えて同氏は、「その後はその試みは非常に簡単だ。『ロシア世界(ルスキー・ミール)』の文脈で『世界平和』を支持し、国(編集注:ウクライナ)の政策に抗議するような潜在的な抗議世論を移民たちの間に作り出すのだ」と説明した。
その際同氏は、それはすでに何十年もそこに存在する宗教コミュニティにとっても、ウクライナ外交にとっても挑戦となっていると指摘した。ウクライナ外交官は、欧州諸国においてウクライナ人がロシアの影響力ネットワークに入ることで、彼らの感情やニーズを操作される危険を感じているという。
スヴャトスラウ首位大司教は、これに対抗するために、ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会はウクライナ人にウクライナ語での支援を提供するネットワークの構築に励んでいると伝えた。
その際同氏は、「私たちは人々がいかに自分の教会に引き寄せられているかを感じている。しばしば、私たちは、事情があって国外に出ざるを得なくなった人々が、自分たちの勝利のためにどのような役割を担えるか、ということを過小評価してしまっている」と指摘した。