
米国との緊張を受け、ウクライナ国民のゼレンシキー大統領への信頼度、68%に上昇
キーウ国際社会学研究所が2月14日から3月4日にかけて実施した世論調査結果を発表した。
発表には、「ウクライナ・米国関係が激化する2025年2月上旬の時点では、57%のウクライナ国民がヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領を信頼しており、37%が信頼していなかった。信頼・不信の差は+20%だった。次に、2025年2月14日から3月4日の期間に、信頼は67%まで上昇し、一方で信頼していない人の割合は29%まで下落した。信頼・不信の差は38%に改善した」と書かれている。


また研究所は、ウクライナの全ての地域で大統領への信頼の状況は酷似していると指摘している。その点につき発表には、「大統領への信頼は、ウクライナ東部で少し低いが、しかし同地域でも過半数がゼレンシキー氏を信頼しており、60%が信頼、36%が不信である。その他の地域(西部、中部、南部)では、信頼が66〜69%、不信が28〜30%である」と説明されている。

フルシェツィキー・キーウ国際社会学研究所常務取締役は、少なくとも現時点ではウクライナが直面する新しい挑戦を受けて、社会の団結プロセスが観察されていると指摘した。
その際フルシェツィキー氏は、「最近の大統領への信頼の上昇は、現在私たちは『旗への結集(rally around the flag)』を目撃していることを示している(なお、全面侵攻から2024年12月まで、信頼は概ね安定的に低下していた)。今後のダイナミズムは、リスクが高まって雰囲気が感情的になるのか、あるいは、冷静になり建設的な対話になるのか(当然、ウクライナ人の防衛努力への支援がある中で)に左右されていくだろう」と分析した。
今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が2025年2月14日から3月4日にかけて、ウクライナの政府管理地域全域(被占領地除く)居住の1029人の18歳以上の成人を対象に、CATI方式(computer-assisted telephone interviews)で実施したもの。理論的誤差は、最大で±4.1%だと説明されている。
また研究所は、戦争という条件下では上述の理論的誤差の他に、一定の体系的な偏差が加わるとしつつ、同時に、今回の調査はそれでも高い代表性が維持されており、世論の理想的な分析を可能にするものだとの見方を伝えている。