被占領下メリトポリでロシア軍が拉致した市長の「代行」を「任命」 ウクライナ側は重刑を警告

ロシアが占領するウクライナ南部メリトポリにて、11日にイヴァン・フェドロウ市長が黒づくめの人物に拉致された後、ロシア軍は同市市議会の野党ブロック党のハリーナ・ダニリチェンコ議員を「代行」に「任命」した。

ホンチャレンコ最高会議(国会)議員がテレグラム・チャンネルにて報告した

ホンチャレンコ氏は、「メリトポリにて、占領者が自分の『市長』を据えた。野党ブロック党の市議会議員ハリーナ・ダニリチェンコだ。この共謀者は、すでにメリトポリ市民への呼びかけ(動画)を録画し、そこで『新しい現実に慣れるよう』『状況を不安定化させないよう、過激主義活動に参加しないよう』呼びかけている」と伝えた。

同時にホンチャレンコ氏は、現在国家反逆罪の罰則が強化されており、全資産の接収と終身刑であることを喚起し、「共謀者には、非常に厳格な罰が待っている」と伝えた。

また、本件につき、ヴェレシチューク副首相兼一時的被占領地再統合相は、テレビ番組出演時に、今回の偽「市長代行」任命については、保安庁(SBU)が状況をコントロールしていると報告した。

ヴェレシチューク氏は、「メリトポリにおいて、言うなれば『人民市長』の選出という試みがあった。ダニリチェンコ氏は、そこで人々に呼びかけを行おうとした。(中略)おそらく彼女は、ネリ・シュテパ(編集注:2014年にロシアとの協力を発表し、その後ウクライナで実刑判決を受けた元スロヴヤンシク市長)の運命がどのようなものか、自分の運命がどうなるかを忘れているのだろう。私たちは、刑を強化した。その犯罪は、15年の禁固刑と評価される」と発言した。

同氏は、本件はSBUが状況をコントロールしているとしつつ、ウクライナ政権はウクライナの地図にこれ以上いわゆる「人民共和国」が現れることのないように最大限努力していくと発言した。

なお、ロシアにより占領下にあるウクライナ南部メリトポリ(人口約15万人)では、11日にイヴァン・フェドロウ同市市長が拉致されたことを受け、12日、同氏市民が市長解放を求めて抗議運動を行っている