ポーランド、チェコ、スロベニア3国首相、キーウ訪問でウクライナ支持を確認
15日、モラヴィエツキ・ポーランド首相、フィアラ・チェコ首相、ヤンシェ・スロベニア首相がキーウ(キエフ)を訪問し、ウクライナは現在自国のためだけでなく欧州全体のために戦っているのだとし、さらなるウクライナへの支援供与を明言した。
3国首相がキーウ訪問時の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
モラヴィエツキ・ポーランド首相は、「キーウは身を守りながら、欧州の基本的価値を守っている。私は、欧州の首脳たちの目を見ている。キーウは今日、欧州の最大の価値である、自由、独立、命の選択の自由、民主主義の第一防衛戦に立っているのだ」と強調した。
モラヴィエツキ氏はまた、20日前、ウクライナ全体が一片一片の大地、一人一人の命、一本一本の通り、一軒一軒の幼稚園や学校のためにこれほどまでに英雄的に戦うことになるとは多くの人が信じられなかったであろうと述べ、ロシアの蛮行的攻撃はすでに前線ではなく、女性や子供への攻撃となっていると指摘した。
同氏は、約100人のウクライナの子供がロシアの侵略によって残虐に殺されていると指摘した。
また同氏は、「ウクライナを失っても欧州は変わらないと欧州が思っているなら、誰かがそう思っているなら、それは大きな間違いだ。そのような欧州は敗北の象徴、弱さの、屈辱の象徴となろう。だからこそ、私たちは皆それを看過してはいけないのである」と強調した。
同氏はさらに、欧州には対露制裁は自国の快適さを損なうおそれがあるとする声が聞こえるとし、「スペイン、オーストリア、あるいはイタリアの友人たちよ、あなた方の快適がここ、ウクライナの中心の子供たちの涙と血よりも重要だというのか? あなた方にまだ心があること、それを非難するだけの勇気があることを期待している」と発言し、暖かいセーターを着た上で、ロシアから酸素を、エネルギー売却で得る金を奪った方が良いと主張した。さらに同氏は、「制裁に関しては、いかなるレッドラインもあってはならない。制裁は、可能な限り広範であるべきだ」と強調した。
加えて同氏は、プーチン露大統領は、「独裁者は去るもので、悪は消えゆくものだ」という真実を理解すべきだと指摘した。
ヤンシェ・スロベニア首相は、スロベニアはウクライナに対して武器供与を行っていき、難民を支援していくと発言した。ヤンシェ氏は、ウクライナ人は現在自国のためだけでなく、欧州全体、自由、民主主義、友と同盟を自由に選ぶ権利のために戦っているのだと指摘した。
ヤンシェ氏は、「私たちは、ウクライナができるだけ早くEU加盟候補国地位を得るべきだという明確なシグナルを送りたい。そのシグナルをEUだけが受け止めるのではなく、ウクライナへ侵攻した者も受け取れるようにだ」と強調した。
フィアラ・チェコ首相は、「今夜、キーウにて私たちは、あなた方が自らの自由、ウクライナのために、欧州のために、どのように戦っているかを目にした。私たちは、この(訪問)ミッションの基本的目的とメッセージは、あなた方は一人ではない、私たちはあなた方とともにある、ということを伝えることだ。ありがとう」と発言した。
ゼレンシキー大統領は、3首相との共同記者会見にて、「私は、あなた方が私たちを強く支援してくれていることにつきお礼を言いたい。このような時、ロシアの私たちの領土への全面的侵攻によって大使たちすらウクライナを去った時に、それは強力な立場だ。そんな時にすら、素晴らしい独立した欧州の国々の首脳たちは、何も恐れてはいない。私たちの運命については恐れている。彼らは、私たちを支えるためにここにいる。それは、偉大で、正しく、勇敢かつ友好的な行動だ。私は、このような友人たち、このような隣国たち、パートナーたちと一緒であれば、私たちは確かに勝利することができると確信している」と発言した。
ゼレンシキー氏はまた、最も重要なことは、ウクライナ政権が「彼らを完全に信頼しているということ」だと強調し、「そのため、安全保障や、私たちのEU内での未来、あるいは、制裁について話す時、私たちは、議論していることは全て確かに実現し、私たちの安全保障のための肯定的な目的に到達するということを、100%の確信を抱いている」と発言した。
15日、モラヴィエツキ・ポーランド首相、フィアラ・チェコ首相、ヤンシェ・スロベニア首相は、鉄道にて、キーウ(キエフ)を訪問した。シュミハリ・ウクライナ首相は、3国の首相とウクライナの今後のサポートについて協議すると発表していた。
なお、2月24日のロシアによるウクライナに対する全面的な侵略戦争が始まってから、外国首脳がキーウを訪れるのは今回が初めて。