ロシア軍、少人数残しチョルノービリ原発から撤退

ウクライナの原子力発電公社の国営エネルホアトム社は31日、チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所など、立入制限区域の施設を占拠していたロシア軍が、少人数の兵力のみ残してベラルーシ方面へ出発したと発表した。

エネルホアトム社がテレグラム・チャンネルにて伝えた

発表には、「チョルノービリ原子力発電所及び立入制限区域におけるその他施設を制圧していた占領者が二つの車列でベラルーシ共和国とのウクライナ側国境へ向けて出発したとの情報が確認された」と書かれている。原子力発電所には、少数の兵力が残されているとのこと。

またベラルーシ方面への撤退には、近隣のスラヴティチ市の包囲を行っていたロシア軍部隊も加わっているという。

加えて同社は、最高濃度汚染地域として知られる「赤い森(ルディー・リス)」にてロシア軍が防衛設備を設置したり、塹壕作りをしていたとの情報についても確認が取れたと伝え、「そのため、占領者が相当の線量の放射線に被曝し、初期症状によりパニックを起こしたとしてもおかしくはない。症状が現れるのは非常に迅速だ。その後、軍人の間には、ほぼ暴動のようなものが起こり始め、彼らはそこから立ち去り始めた」と指摘した。

なお、2月24日、ロシア軍がウクライナへの全面的侵略を開始、初日にチョルノービリ原子力発電所を制圧していた。