ゼレンシキー宇大統領、露国営ニュースサイトの記事「ロシアはウクライナと何をすべきか?」にコメント
ウクライナのゼレンシキー大統領は4日、ロシア国営ニュースサイト「リア・ノーヴォスチ」に掲載された、「ロシアはウクライナと何をすべきか?」と題された投稿記事に関し、それは、将来、ロシアの戦争犯罪を裁く際の証拠の一つとなるものだとコメントした。
ゼレンシキー大統領が同日のルーマニア国会でのオンライン演説時に発言した。
ゼレンシキー氏は、「4月3日、世界がブチャでの殺された人々の遺体を見て、恐怖におののいた日、ロシア国営通信社『リア・ノーヴォスチ』に、ウクライナ人に対するジェノサイドを行う根拠の書かれた記事が公開された。その記事の名前は非常に美しい。引用する。『ロシアはウクライナと何をすべきか?』だ。それは単なる文章ではない。それは、ロシアの戦争犯罪を裁く将来の裁判にとっての証拠の一つとなるものだ」と発言した。
同氏は、その記事には、ウクライナをウクライナたらしめるあらゆるものの抹消や、ウクライナ人自体の殲滅に関する明確な順序について記述されていると説明した。加えて、同記事にはウクライナを「非ウクライナ化」「非ヨーロッパ化」しなければならないとも書かれていると伝えた。
その上で同氏は、「さらには、私たちの国の名前(注:ウクライナ)を消し去るべきとも書かれているのだ。実質的に、この戦争で私たちの間で死者が増えることが歓迎されている、と書かれているのである」と説明した。
さらに同氏は、現在ロシアでは著しい国家検閲があり、国営通信社のウェブサイトに掲載されるものは全て、現在の対ウクライナ戦争に関する国家の公式なイデオロギー的立場に合致するものだけが掲載されていることを指摘し、「つまり、理解して欲しい。彼らは、隠しすらしていないのだ。彼らは、オープンに、ウクライナへの侵攻の目的を語っているのである」と強調した。
写真:大統領府